↑BGMはクリックして^^恋のタイトルマッチ主題歌「結婚して^^」(キョルレジュゲンニ)歌/チョ・ソンモBYJシアターです。本日は【恋のタイトルマッチ】第14・15話です。隣のヨンシュンさん(ペ・ヨンシュン)・・・・ ぺ・ヨンジュン (32歳)私・通称リコ(牧村キリコ)・・・・・・・・・ 小雪 (28歳)アニキ(牧村桔平)・・・・・・・・・・・・・ 椎名桔平(特別出演)リコの父(牧村徳道)・・・・・・・・・・・・ 原田芳雄この物語はフィクションです。ここに出てくる団体や金融に関することは事実と異なります。ではここより本編。お楽しみください!恋のタイトルマッチ。それはたくさんの相手に勝つことではない。これぞ!と見込んだ相手、好きになった相手と結ばれる。それが勝利者という称号を手にすることだ。負けない!誰に?自分の弱虫に!そして、大好きなあなたと結ばれるまで私は、頑張る!【恋のタイトルマッチ】主演:ぺ・ヨンジュン 小雪 木村 拓哉「第14話 二人の未来」ヨンシュンとリコが自宅のマンションへ帰ってきた。リコは、部屋の鍵を開け、ヨンシュンをすばやく中へ押し込み、キョロキョロと左右を見て中へ入る。そして、ドアを閉める前にまた、外を確認する。玄関の中で、ヨンシュンがリコの後ろで少し笑いながら、ヨ:そんなにしなくても。大げさだな。リ:(振り返って)スパイ大作戦みたいかしら?(笑う)ヨ:何それ?(まん丸お目目で言う)リ:ミッションインポッシブルよ。(笑う)ヨ:(笑う)ハハハ、そうだね、まったく。リ:ねえ、中へ入って。(ヨンシュンを後ろから押しながら部屋に入る)ヨンシュンは初めてリコたちの部屋に入った。部屋全体は、なんとなくリコを思わせるような、清楚でいてコンテンポラリーな感じではあるが、ところどころに、ウエスタン調のものが点在していて、どうも、それがタクヤのもののようである。全体的にはスッキリと温かな雰囲気である。リ:ちょっと空気を入れ替えるわね。その辺に座ってて。リコはリビングの窓際へ行って、カーテンを開け、窓を開ける。リ:たった3軒先に隠れてどうなるってこともないかもしれないけど、少しは気持ちが落ち着くでしょう?そういってヨンシュンのほうを振り返る。すると、ヨンシュンがウエスタン調の薄茶色の皮のソファに腰かけようとしている。リ:あ、ヨンシュンさんはそっちじゃなくて、赤いストライプのほうに座って。薄茶のソファと直角に、赤とベージュの太いストライプの布製のソファが並んでおいてある。ヨ:こっち?(指差す)リ:そう。ヨ:決まってるの? (不思議そうに聞く)リ:うん。だって、そっちが私のソファだから。茶のはタクヤのだから。ヨ:ふ~ん。勝手に座っちゃいけないの?リ:というわけでもないけど・・・。普通、自分の席があったら、自分のところへ座るでしょ?ヨ:まあね・・・。なぜ、僕はこっちなの?リ:だって、ヨンシュンさんは私のお客様だもの。ヨ:・・・そう。リ:そうよ。ヨ:ふ~ん。テリトリーがハッキリ決まってるんだ・・・。(なぜかうれしい)リ:決めてるわけじゃないけど・・・タクヤも私もなぜか守ってる・・・うううん、そうしてるほうがラクなの。ヨ:ふ~ん・・・。リコ、ちょっとこっちへ来て。呼ばれて、リコはヨンシュンの前へ立つ。リ:なあに?(ヨンシュンを見下ろす)ヨ:もっと来て・・・。(甘い声)前に近づいたリコの腰をヨンシュンがぐっと引き寄せる。リコがバランスを崩して、ヨンシュンの股の間に左膝をついてヨンシュンの方へ倒れこみ、ヨンシュンの肩に左手を廻す。ヨ:(リコの腰を抱きながら)じゃあ・・・僕はリコのものだから、リコのところへ座ってるんだ。リ:・・・うん・・・。(ヨンシュンを見つめる)ヨ:じゃあ、ハッキリそう言って。(しっかり見つめる)リ:・・・。(右手でヨンシュンの頬を撫でてじっと見つめ)ヨンシュンは・・・私のものだから、私のソファに座るのよ。(うっすら涙ぐむ)ヨ:そう。僕はリコのものだから、リコのソファに座る・・・。(じっと見つめ返す)リ:うん・・・。ヨ:そして、リコは僕のものだから、このソファも僕のものだね・・・。リ:・・・うん、そうよ・・・。リコはヨンシュンに寄りかかりながら、両手をヨンシュンの首に巻きつけ、向かい合って抱かれる形になる。二人は互いに見つめ合う。リコの体が大きいので、リコがヨンシュンを少し見下ろす。ヨ:やっぱり、大きいね、リコは。(笑う)リ:でしょう? (ドンと体重をかけて座る)ごめんね、大女で。(微笑む)ヨ:(もっと引き寄せて抱きしめる)それに、重い・・・。(笑って顔を覗き込む)リ:もう・・・。あなたは・・・そういう運命なのよ。重い女の相手をする・・・諦めなさい。(やさしい顔で顔を見つめる)ヨ:うん。諦めるよ、喜んで。(うれしそうに言う)そして、静かに見つめ合い、吸い寄せられるように二人はキスをした。夜になって、リビングの電話が鳴った。リ:はい。あ、タクヤ?タ:どう? うまくいってる?リ:なんとか。このまま見つからないで明日を迎えたいわ。そうだ、ソナさんからもまだ電話が来ないわ。(不思議に思う)気がついてないのかな・・・。タ:その辺はうまくこっちでやってるよ。リ:何を?タ:まあ、気にしないで。ヨンシュンにオレの部屋を使っていいって伝えてよ。リ:うん、ありがとね、タクヤ。ヨンシュンが近くで電話を聞いていて、ヨ:タクヤさん? ちょっとお礼をいいたいから、代わって。リ:うん。ねえ、タクヤ。ヨンシュンさんに代わるね。(受話器を渡す)ヨ:タクヤさん、今回は本当にどうもありがとう・・・。なんとか、ここまでたどり着けました。タ:そうですか。よかったです・・・。明日ですね・・・。ヨ:はい。タ:頑張ってください。・・・ヨンシュンさん、あなた・・・リコを本当に幸せにしてくれますね?ヨ:・・・ええ。(決意した顔になる)タ:何があっても、絶対、苦しい思いをさせないでくださいね。ヨ:ええ、必ず。約束します・・・。タ:・・・その言葉が聞けてよかったです。僕はまだまだこちらで楽しい時間を過ごすつもりなので、僕の部屋を自由に使ってください。ヨ:ありがとう。そうさせてもらうよ。タ:ヨンシュンさん・・・お互い、幸せになりましょう。ヨ:タクヤさん!(ありがとう!)タ:オレも容赦なく、幸せ、掴みますよ! あなたが驚くような、幸せを。ヨ:タクヤさん? (どういうこと?)タ:だから、あなたもリコを絶対手放したりしないで・・・お願いします。ヨ:・・・ありがとう。(じ~んとする)リ:どうしたの? (少し涙ぐむヨンシュンを見る)代わって! タクヤがなんか言ったの?ヨ:幸せにって・・・。(電話を代わる)リ:タクヤ?タ:幸せになれよ。(やさしく力強く言う)リ:タクヤ。(泣きそうになる)ありがとう。電話を切って二人はしんみりしてしまった。タクヤの言葉が温かく心に沁みる。そして、絶対に明日は失敗してはいけないというプレッシャーがヨンシュンに圧し掛かる。ヨンシュンがいつものように恐い顔をした。リ:大丈夫よ、ヨンシュンさん。きっとうまくいくわ。(やさしく言う)ヨンシュンがじっとリコを見つめる。リ:大丈夫・・・。もし。万が一にもだめでも、二人で頑張りましょう! ね!(力強く言う)ヨ:うん。(リコの頬を撫でる)リ:どんな時だって、あなたが好き。きっとそれは変わらないわ。いつだって、あなたが好きだもん。ヨ:リコ、ありがとう。でも大丈夫だよ。(しっかりした顔で)やるだけのことはやるよ。結果を気にしていたら、前へ進めないからね。リ:そうよ、ヨンシュン。ファイティ~ン!ヨンシュンが笑った。ヨ:タクヤさんが、部屋を使っていいって言うから、遠慮なく借りるよ。ヨンシュンがタクヤの部屋のほうへ行きかける。リコが手を掴む。リ:ねえ、一緒にいましょう。せっかく二人の時間があるんだもん・・・。今日は一緒にいよう、ヨンシュン・・・。リコがヨンシュンと手を繋いで、リコの部屋の前へ行く。ゆっくりドアを開け、リ:ね。一緒にいましょう。ヨンシュンはリコをじっと見つめながら、リコの部屋へ入っていった。運命の朝を迎え、ヨンシュンは洗面所で顔を洗っている。夜中にそっと取りに行ったスーツにリコがスチームアイロンをかけている。できあがったスーツをじっと見る。リ:ねえ、コーヒー、入れるね。ヨ:ありがとう。ヨンシュンが洗面所から戻り、二人でダイニングテーブルにつく。二人は向かい合って座った。少し恥ずかしそうに、そして幸せそうに、顔を見つめ合う。ヨ:リコ。一生こうして、二人で朝を迎えたいよね。リ:・・・うん・・・。(少し恥らいながら頷く)ヨ:君が僕のことをいろいろ構ってくれて・・・。リ:私は構うだけ? 構ってくれないの?(首をかしげて言う)ヨ:もちろん、僕も君のために・・・。(言葉に詰まる)リ:・・・?ヨ:君のために、生きて・・・。リ:・・・。(涙ぐむ)ヨ:二人で一から作っていこう。(微笑む)リ:うん。ヨンシュンとリコの世界をね。(じっと見る)ヨ:うん。・・・よし!今日がその初日だね。まずは第1ラウンド!リ:そうよ、ヨンシュン。頑張ってらっしゃい!(まるでアネゴのように、気合を入れる)ヨ:・・・!(目を丸くする)リ:京香先輩からの受け売り!(笑う)いつも仕事に行く前に先輩が気合を入れてくれるの。ヨ:(笑う)よし、頑張るぞ!リ:うん!東京の丸の内。ワイワイバンクの会議室。ヨンシュンが運命の扉を開けた。「第15話 そこに居た人」東京丸の内。ワイワイバンクの会議室。ヨンシュンが座っていると、ドアが開き、融資部の牧村と上司で支社長でもあるマーク・オットマンが入ってきた。ヨンシュンは立ち上がり、お辞儀をする。牧村の指示に従い、会社のコンセプト、今回の新事業の概要、日本における市場調査と未来図を、英語でプレゼンした。オットマンは頷き、(ここから全て英語で)オ:あなたは自国でも、いろいろおもしろい事業を展開していらっしゃるが、今後、日本でも同じように展開していく予定はありますか?ヨ:・・・はい。(新事業以外念頭になかった・・・)オ:たとえば、今回の美容部門以外にはどんなものをお考えかな? あるいは準備されているのか? 構想だけでも伺いたいな。あなたがどんな方か、知りたいのでね・・・。ヨンシュンは一瞬、言葉を失って、怯みそうになるが、頭の中にリコの顔が浮かぶ。昨日ベッドの中で、ヨンシュンに覆いかぶさるように、彼を見つめて、リコが言った。リ:万が一だめでも、二人でなら乗り越えられるわよ。私たちはいつも一緒だもん。二人三脚でがんばろ!そうでしょう? 後ろ盾なんかなくたって、二人でなら、きっとやっていけるわ!ヨ:(自信を持って)現在、進行中のものとしましては・・・建物のリフォーム部門を考えております。日本国内で、この部門ではいくつかの新人賞や、快適空間賞をとってきました、建築家でもあり、デザイナーでもある方を今回、スカウトすることができました。オ:ほお。それはまたずいぶん違った方向から攻めていらっしゃるな。ヨ:この方は、女性や次世代の若者・子供向けの店舗や学校の設計及びリフォームにおきましては、卓越した力のある人なんです。私どもは女性や子供の美や健康を追求してまいりましたが、リフォーム部門におけるこのデザイナーのコンセプトが、フォースターズ・ジャパンのコンセプトとピッタリなんです。オ:なるほど・・・。で、なんという方ですか?ヨ:まだ公には名前を明かすことはできません。あちらのお仕事の関係もありますので、はっきりと発表できる状況になりましたら、一番にお知らせいたします。この話を聞いて、桔平の目が光った。オ:わかりました。牧村君。では詳しいことは君からご説明をして。ヨンシュンさん、私はこれで失礼します。オットマンが立ち上がり、ヨンシュンに手を差し伸べる。オ:いい仕事をして下さい。期待していますよ。ヨ:(その手を握り)ありがとうございます。オットマンが去った後、牧村がヨンシュンに提示したものは、ヨンシュンが考えていたものとはかなり違っていた。(ここから日本語)牧:私どもとしましては、ヨンシュンさん、あなたが提示された、条件とは違ったことを考えております。(ヨンシュンの顔をしっかり見つめる)まず、こちらで調べさせていただきましたが、あなたは、この日本での新規事業の全権を任されている、いや、お持ちだ。というより、まったく、韓国四星物産とは切り離した体系で、こちらの会社を設立されているんですね。その辺がとても不思議で・・・こちらもご融資することに少し躊躇いを感じていたんです。それで、この話も今日になってしまった・・・。まさに、この日本の会社は、あなたの個人の会社ですね?ヨ:という形を取っているだけです・・・。現在、韓国のセブンバンクが資本金に絡んでいますが、もしご融資いただけたら、セブンとも、韓国本社とも離れ、まったくフリーの会社となります。牧:ほお。その辺が少し心配でした。ヨ:しかし、私自身は、韓国の本社の専務ですし、ご存知の通り株主でもありますので、これはただの手続き上の問題とお考えください。ヨンシュンと牧村がお互いの思惑を持って、じっと見つめ合う。牧:わかりました。そこで、あなたのご提案の担保は、あなたの韓国本社の持ち株でしたね?私どもとしましては、それよりも日本のフォースターズ・ジャパンでの出来高に合わせて歩合で、ご融資の返済をしていただきたい・・・。ヨ:えっ? それは・・・資本を出していただいて、株主に加わるということですか?・・・それでよいのですか?牧:どう思われます? 肩の荷が軽くなったのか、重くなったのか・・・いかがです? (顔を覗き込む)まあ、これで、あなたの失敗で、韓国本社がわが銀行に乗っ取られる危険はなくなった訳だ。しかし、あなたが失敗された時は、首をくくらなければなりませんよ。(見つめる)ヨ:・・・そうですね・・・でも、牧村さん。私には自信も力もあります。ここは、絶対乗り越えてみせますよ!牧:そうですか。ではこれでお話を進めていきましょう。ヨ:ありがとうございます。牧:ところで、こちらの部長さんはヨンシュンさんの方向性をご理解なさってるのかな?ヨ:ええ。彼は私の大学の先輩でもあり、友人でもあって、とても信頼できる人物です。牧:そうですか・・・。それから、新しいリフォーム関係のデザイナーさんも信頼できる人ですか?ヨ:ええ、とても。私にもっとも近い人です・・・二人で、二人三脚でやっていくことを誓いました・・・。牧村はヨンシュンの最後の言葉を静かに聞いて、ファイルを閉じた。そして、ヨンシュンをじっと見つめ、牧:ペ・ヨンシュンさん。あともう一つ。条件があります。ヨ:なんでしょうか? (首を傾げる)牧:(顔を睨みつけるように見る)噂では、あなたは来週、韓国のセブンバンクのお嬢さんとご結婚されるとか・・・。それはないですね?ヨ:・・・。牧:もし、それが事実だったら、私どもはあなたを信用しませんよ。この話はご破算です。ヨ:それは・・・ただの噂です。そのようなことは絶対ありません。牧:本当ですね?(しっかりと顔を睨む)ヨ:ええ、大丈夫です・・・。私は・・・(堅く決意する)日本の女性と結婚する予定がありますので。それはただの噂です。牧:・・・わかりました。あなたを信じます。どうか、裏切りのないように・・・。お願いしますね。(顔を覗き込む)これからはパートナーですから。ヨ:はい。牧村が笑顔で立ち上がった。そして、握手を求める。牧:あなたのご活躍に期待していますよ。新事業も、まだ構想中のリフォーム事業も。きっと良いスタッフをお持ちなんだ。ヨ:ありがとうございます。必ず、ご期待に沿います。(しっかりと牧村の手を握る)リコは、ワイワイバンクの近くのカフェテリアで、まんじりもせずに、待っていた。ヨンシュンの今日の成功を祈りながら・・・。これに自分たちの未来がかかっているのだ。もし、だめで・・・あの人が自分の家を捨てても・・・。大丈夫よ。私たちなら、きっとやっていけるわ。やっていくわ! できるはずよ。二人で一生懸命に生きていけば・・・。それに・・・私たちには、それだけの力も愛もあるはずだもん。リコがぼんやり、窓の外を見る。ヨンシュンが通りを渡ってやってきた。リコは彼の姿を見て、心臓が止まりそうなほど、胸がいっぱいになっている。彼が歩いてくる・・・。彼は私が見ていることを知らない。気づくかしら・・・?店を探して・・・。ヨンシュン、ここよ。ここにいるわ!ヨンシュンが店を見つけ、ガラス越しにリコが見ているのを発見する。一瞬、いつもの恐い顔をして、リコを見つめ・・・そして、ニッコリと笑った。桔平は、自分のデスクでイスを右へ左へくるくる揺らしてから、電話をかける。桔:ああ、父さん。お久しぶりです。父:おお、おまえ、生きていたのか・・。まあ、おまえのことだ、元気だとは思っていたよ。(笑う)桔:ご無沙汰してしまいました。父:う~ん。私より、リコが随分心配してたぞ。今、どこにいる?桔:東京の丸の内です。父:そうか・・・。それよりどうした? (電話してくるには何か、あったか?)桔:(明るい声で)いやあ、母さんの7回忌の法要が今年だなあと思って・・・。父:おまえ、それは12月だよ。気が早いな・・・。しかし、今年は来るんだろ?桔:はい、必ず、伺います。・・・お仕事、忙しいですか?父:まあ、今年の夏は暑かったからなあ。老人にはちょっときつかったらしくて・・・随分、忙しい思いをしたよ。しかし・・・本当のところ、どうした? (何があった?)桔:いやあ・・・ちょっと。娘を嫁にやる父親の心境になりまして・・・父さんをちょっと思い出したもんだから・・・。父:うん・・・犬でも嫁にやるのか?桔:まあ、そんなとこです・・・。父:うむ。(遠くから「住職さん」と呼ぶ声が聞こえる)じゃあ、檀家が法事の打ち合わせにいらしたみたいだから。まあ・・・元気にやりなさいよ。桔:はい。父:リコには、ちゃんと連絡入れろよ。心配してるんだから。な。桔:はい、近日中に。じゃあ、父さん、お元気で。失礼します・・・。桔平は電話を切って、イスをくるっと後ろへ廻して、窓の外を眺めた。ヨンシュンがリコをカフェテリアの外へ手招きして呼び出す。リコが出てきて、心配そうに、リ:どうだった?ヨ:心配かけたね。うまくいったよ。(笑顔で見つめる)リ:そう、よかった!(うれしい。ホントによかった)ヨ:ちょっと外をブラブラ歩きたい気分なんだ。リ:うん!外は爽やかな秋風を感じる季節になっている。ヨ:僕が考えてたのとは、ちょっと違ったけど。リコはどう思う? 歩きながら話したいんだ。それがね・・・。二人は明るい午後の日差しを浴びながら、丸の内界隈を話しながら歩いている。話しながら、なにげなく目に入った店を見ると、ちょっとしゃれた宝石店である。ヨンシュンがウィンドウを覗く。ヨ:リコ、入ってみない? あのリング、ステキじゃない?(ウィンドウの中を指差す)リ:そんな、お金を借りに行く人が何を言ってるの。(笑う)ヨ:リングの一つくらいは買えるよ。・・・一つくらいはあげたいんだ・・・。(店の様子を覗く)リ:(ヨンシュンの言葉で胸がいっぱいになる)・・・。ヨ:一つくらい・・・プレゼントさせて・・・。(顔を見ないで言う)リ:・・・。いいの? (顔を見ないで言う)ヨ:うん・・・。でもすごく安いのだよ。(笑う)リ:いいわよ。値段なんて・・・。(笑って喜ぶ)ヨンシュンがリコの肩を抱きながら、宝石店の中へ入っていった。夜、リコの部屋のリビング。ソファに座って、リコが左手の薬指を愛しそうに撫でながら見ている。10月生まれのリコに、誕生石のピンクトルマリンのリングをヨンシュンが買ってくれた。18金のホワイトゴールドの台座に大きめのピンクトルマリンが2つ、斜めに双子のようについている。ヨンシュンが自分たち2人みたいだと言って、このデザインにしようと言った。リコもとても気に入った。ヨンシュンが缶ビールを持ってキッチンからやってきた。ヨ:また見てるの? 飽きないねえ。リ:うん。ぜんぜん飽きない・・・。(また見ている)ヨンシュンが横に座ってもこちらを向かず、リングを見ている。ウエストに腕を巻きつけても反応せず、見ている。もっとリコを引き寄せて、顔に顔を近づけても、見ている。顔をくっつけて、頬にキスをしても、見ている。首筋にキスをしても、リングを見ている。ヨ:(呆れて)僕より今はリングなの?リ:うん。ヨ:そんなにいい?リ:うん。ヨ:僕の顔を見るよりいい?リ:もちろん。ヨ:なんで?リ:ここに二人の未来が約束されているみたいで・・・うれしいの。ヨ:ふ~ん。でも、本物の僕のほうがいいと思うけど。リ:そうお?(リングを撫でる)ヨ:ねえ・・・。リ:・・・。(リングを見つめる)ヨンシュンがリコから手を放し、すっかり呆れ返って、ソファの肘掛にもたれる。リ:(初めてヨンシュンを見て)どうしてやめちゃうの?ヨ:・・・?リ:続けてよ。・・・すごくよかったのに・・・。ヨ:・・・?リ:もっと続けて・・・。ヤキモチ焼きのヨンシュンさん!(ヨンシュンを見て笑う)ヨンシュンが笑って、リコに反撃に出た・・・。続く・・・。さて、タクヤたちはどうしたのか・・・?韓国勢の動きはいかに・・・?レナは? テヒは? ヨンシュンさんのご家庭は?なんか静かで不気味です・・・。