独り言とキコはん
東京はいいお天気です^^
韓国から帰ってきたら、
息子の友達も国公立大の発表があって、
皆明るい未来へ飛び出せそう^^
久しぶりに集まって、元気にやっているようです^^
って、
まだ、飲み会で捕まらないようにねvv*
下の子が落ち着けば、
上の子の進学問題も出てくるし・・・
小さな我が家でも
いろいろあっちゃいますね~
でも、これも皆、まだ見えぬ大きな海原へと
飛び出していく準備^^
お金もないけど、
まだまだ母は肩の荷が下りない・・・って、
もともと肩に乗ってたか、知らないけど^^;
そうそう、
上の子がシンガポールの友達の家へ行った時の
お土産をくれました^^
私はソウルで栞しか買ってないんだけど^^;
彼もなんか、大人になったようです^^
自分のバイト代で行ってるからね^^
息子の成長を感じた一日でした。
私はいつも創作を書いていますが・・・
その中にキコはんシリーズというのがあって・・・
これは、不定期に4年半ぐらい書いています。
これは頭から読まないと、
二人の関係の変化がわかりにくいのですが・・・
4年半前に出会って、
つけた日本語の呼び名の寅ちゃんに、
何かあった時は、いつも飛んでいくキコはんです。
キコはんは寅ちゃんより少しだけ年上です。
ということで、
今回もキコはん・・・登場となりますが、
全ての連載は難しいし、その時々の彼らなんで、
よかったら、読んでください^^
これは、ツアの後のことです。
キコはんと通称寅ちゃんのお話です。
さっきはここにURLを置いたのですが、
携帯で読まれる方もいるので、
持ってきました~~~
ではどうぞ^^
~~~~~~~~~~~~~~
「元気?」
「ふ~んvv」
マンションのドアを開くと、ちょっと甘えた目をしたヨンジュンが立っていた。
キコはんシリーズ29
「春はあけぼの」
「ご飯、食べたん?」
「少しね」
「そうか」
「ホンマは、何も食べてへんのと違う?」
「お腹なんか空かないよ」
「そうか・・・」
リビングの灰皿には、吸いさしのタバコがあった。
「タバコばかり吸ってたら、あかんよ」
「ま、いいじゃない」
「ああ、たばこ臭vv」
「そうお?」
「臭いがな、百年の恋も覚めるて」
「わかったよ」
寅はタバコの火を消した。
「帰ったばかりだったのに、ごめんね」
「ええよ。朝、羽田に着いたやろ。おかげで、夜の便に乗れたさかい」
「朝早かった? 寝てないの?」
「ふん。でもな、これ、アニソナツアでは普通やて」
「何時の便?」
「8時40分金浦発。4時起き」
「大丈夫。ホントに悪かったね」
「うううん・・・。来てほしかったのやろ・・・?」
「うん」
「うん^^ だと思うて飛んできた。大丈夫。途中途中で寝てきたさかい。これ!食料も買うてきた。朝御飯はうちが作る」
「ありがとう^^」
キコは来がけに買ってきた食料品をヨンジュンのマンションの冷蔵庫に詰め込んだ。
「元気はのうても、やることはちゃんとやるのやろ?」
「ん?」
「始めるのやろ? 改革せなあかんよ。寅ちゃんの下でやっている事業は、ツアも、皆、あんたのサインがなければ始まらないのやから、そら、全ての責任取って当たり前やもんね。厳しいようやけど」
「だね!」
寅はキコの顔をじっと見つめると、ちょっと辛そうな顔をしてリビングのソファに座った。
「お茶、入れるね」
「うん」
「はい。お茶。日本で買うてきたやつ」
「ありがとう。ふ~ん、香りがいいねえ」
「眠れんようになるかな」
「それでもいいだろ・・・?」
「・・・うん・・・春はあけぼのやね・・・」
「なあに?それ」
「昔のな、平安時代の清少納言ていう女流作家さんがな、書いた枕草子てのがあるんやけど、春は明け方が一日の中でいっちばん、趣きがあってええて。朝日が昇っていくのを眺めるのがええて・・・」
「ふ~ん・・・いいねえ^^」
「うん・・・」
「それにしても、ツアのほう、来なくてもよかったのに」
「なんで?あんたの仕事、見たいやろ。ちゃ~んとモニターせんとね」
「そう」
「うん。でも、来て正解やった」
「そう?」
「うん。いろいろ改善の余地、あったもん」
「改善ね・・・vv」
「そう。改善というか・・・出直し? 出直しやろな。今の体制というかやり方ね、出直さなあかんよ」
「あ~キツイね」
寅は頭の上で腕を組んだ。
「そら、そうや。家族やもん。恋人より、今のうちはヨンジュンさんの家族の立場を取るわ」
「そ?」
「うん」
キコは自分のお茶を持って、寅の隣に座った。
「それにしても、ケガされた人が心配やな・・・。それが一番心配や」
「だね・・・。それが苦しいよ」
「うん」
「・・・」
「でも、治療費とか寅ちゃんが全部持って、責任取るのやろ? 今はそれしか誠意の表し方はないやろね・・・」
「・・・。心は通じただろうか・・・」
「さあ・・・。うまく完治すればええけど。その人が許してくれたかて、その人の家族の気持ちは違うところにあるかもしれへんし・・・うまく治ってくれるとええなあ」
「そうだね」
寅は出されたお茶の中をじっと見つめた。
「寅ちゃん。うちら、お茶かてまともに飲めんかったんやで。トイレが近くなったらあかんから」
「ふ~ん」
「DAツアさんがやったと言うたかて、あんたのサインがなければ何も始まらないはずや」
「そうだね・・・。いい計画だと思ったんだけど」
「そら、ええ計画やった。でも、ガイドさんに聞いたら、初めは部屋の中での撮影やったのやろ? それ、急に変えたらあかんて」
「・・・」
「うちもそうなんやけどな。なんか決める時はよ~く考えて決めるやろ・・・。でも、誰かにこうしたらて言われて、ああ、そうやなて、その場で変えてみると、とんでない失敗をすることがある。うん・・・。
自分では忘れてしもうてるんやけどねえ、それを決める時には最善な方法ていうのかな、一番いい方法を考えたはずなんや。他の方法では駄目で、それに決めたはずなのに・・・忘れてしまうんや」
「・・・」
「自分よりエライ人にこっちにせえて言われたら、一生懸命考えた理由も忘れてしまうやろ? なんで最初は部屋の中で撮影しようと思うていたんだか、慌ただしさの中で忘れてしまう・・・。あんなたくさんの人がいるやもん。計画を変えたらあかん。それが鉄則やろ」
「うん・・・」
「これは、いいチャンスやと思うんや。ケガされた方には申し訳ないけど。ただの天災の性だけで終わらせられないやろ?ツア全体の組み立てが変やったもん。あんたが家族をどう思うているのか、会社をどういう方向に持っていきたいのか、ちゃんと話し合うチャンスや。あんたがファンを家族だと思うても、会社がただの上客だと思うてたら、やり方も違うやろ?」
「だね」
キコはお茶を一口飲んで、寅を見た。
「あのミステリーツアてのがでけた時は、皆驚いたえ。なんでこんなんするのんて。あんたは、人寄せパンダやないのに・・・。そんな扱いされてるようで、少しいやな気持ちになった」
「そんなつもりじゃ・・・」
「でも、そう見える。あんなツアでも一度始めたら、続けなあかんことになるかもしれへんで。あんた、プライベートを切り売りしてどないするの?そういうの大嫌いやったやんか」
「そんな言い方しないでよ」
「皆、そう思うてるよ」
「そうだね・・・」
キコは湯飲みを置いて、寅のほうを向き直って、寅の手を握りしめた。
「まだ、こんなに痩せてて、体力も十分やないのはわかってるけど・・・。まだ、本格的なドラマに出られないのはわかってるけど・・・。切り売りしたらあかんよ・・・」
「うん・・・」
「それにしても、これからは、あんたのツアのお客様が大人だということも気づいてあげてほしいわ」
「なんだよ、そんなの知ってるよ」
「大人は、芝生の上で、体育館座りなんてでけんから」
「・・・」
「小学生やないんやで。周り見てたらな、結構、膝の悪い人とかいて、『座らな、ヨンジュンさんは来ませんよ』なんて言われたかて、よう座れへんのやもん。かわいそうや。中年の人が多いんやから」
「ふ~ん・・・」
「ホテルのお部屋の中なら・・・イスに座ったりでけたやろ。一部屋、写真撮るとこ、決めて皆で変わりばんこに入って撮ってもよかったと思う。あれって・・・。100人ずつ、並ばせるの、大変やろ? きっとあんたに手間をかけさせたくなくて、いっぺんにたくさんの人と写真を撮らせようとしたんやと思うけど、返って効率が悪い気がする。あんたはスターやけど、あんたの家族写真やもん・・・。寅ちゃん自身は手間を惜しまんやろ?あれて、急がば回れやね・・・」
「厳しいなあ」
「まあな、あんたが、『次回必ず家族写真を撮る』てあの時、言うてくれたさかい。アイディアを出してるのや」
「うん」
「同じとこのほうが、カメラマンかて簡単やろ? いちいちカメラの設定変えんでもええし。あんたはその部屋で待ってるだけでええのやで」
「ふ~~~んvv」
「あ、そうや。最後に集まった時に思うたんやけど、あんな広い宴会場があったんやら、あそこでアニソナのダイジェストでも見せて、宣伝すればよかったのに。DATVの宣伝になるやろ? それだけでも少しは待ち時間も楽しくなったのやないの?せっかくDATVも絡んでるのに。そういうこと、気がつかんかったのやろか」
「そうだったね」
「そうやろ。2時間も3時間も待たせる時間があるんやったら、座ってゆっくり見せてもよかったんやないの?いくつか広いとこに集めて・・・駄目やったの?それにな、うちは、こういうのもええと思うんやけど、あんたの前日のインタビューを見せてもええんやない?」
「僕の?」
「うん、『家族の皆さん、こんにちは。ええと、私は家族の皆さんより一日早く、準備のため、ホテルに入りました。明日、家族の皆さんにお会いするのを楽しみにしています。今からわくわくしています』なんて話してくれたら、うれしいわ。それに、私服で出てきたら、ドキドキするもんやで。(笑)それに、ああ、これからヨンジュンさんに会うんだなて、なんかわくわくする気がする」
「キコも?」
「うん^^ 家族やから。(笑)」
「そっか~」
「飛行機の便の時間もあるけど・・・後はお弁当かな」
「まだあるんだ」
「うん。2回、お弁当やったやろ? 朝と昼と同じようでは飽きる・・・。昼のご飯はもう固まってたしな・・・。思うんやけど、朝はキンパフと卵焼きみたいなもので軽く仕上げて、お昼が朝食のお弁当でもよかったな・・・これ、願望やけどな」
「ふ~ん」
「食事にメリハリがないというか、あんまり考えてなかったのかもしれへんけど。あ、でも、昼は、日本食みたいやったから、考えていたのかもしれんけどな・・・うちらと、考えるポイントが違うたのやろか」
「・・・」
「ま、レストランやってる人の出すお弁当ではなかった・・・とは言えるかな」
「手厳しいな」
「そやろ? 皆、あんたのレストランに食べにきたりする人たちやで。味がわかる人やで。そんな人たちに、あんたも食べ物にうるさいこと言ってるくせに、出てくるものがあれでは・・・ちょっとあかんよ。ほんの少しの工夫が足りない。愛やろか・・・」
「ふ~~」
「安いツアなら、それでもええけどね。今回は高かったやろ。あ、12万円の旅行て、一般的には高いのやで」
「わかるよ、そのくらい」
「そうか? わかるか? なら、ええけど。知り合いのヨン友さん、同じ12万円で、ニューヨークへ5泊7日、スィートルームやて」
「そんな」
「うそのようなホントの話。それは自分で組み立てているんやから、パック旅行とは違うけど、準備するのは下請けの旅行会社でも、これが高いパック旅行だということだけは認識してもらわんと・・・途中のマージン、取りすぎてわからんようになってしもたのやろか・・・」
そういって、キコは笑った。
「そんな・・・嫌味ばっかり言って」
「嫌味やないで」
「ま、後はあんたに任せる。しっかりやってください。きっと、これも・・・神様が見てて、あんたに今、気づかさなあかんて、知らせてきたのやろ・・・と思う」
「神様ね」
「そう、だってあんな突風、普通やないよ。あんなん晴れてたのに、急なんやもん」
「ふん。あ~、そうだね・・・」
「きっと、あんたのための風や。そう思おう」
「そうだね」
「あんたが流されないように。風が吹いたのや」
「うん・・・」
「ちょっと痛かったけどな。家族を巻き込んでしもたから」
「そうだね。その分、心に刻まれているよ」
「なんか、少し元気になったみたい?」
「そう見えるかい?」
「それとも呆れた?」
「呆れるなんて。自分に呆れた。でも、なんか気分は落ち着いた」
「顔がちょっとだけやけど、さっぱりしてきたみたい見えるもん」
「そうかい?」
「うん」
「キコと話しているとなんか自然に勇気が湧く・・・のかな?^^ なんか、自分のやるべきことが見えてきたような気がするよ」
「そうお?^^ 頑張ってや。家族は、ただの客やないからね。十羽一からげでなんぼ?なんて考えたらあかんよ」
「考えてないよ!」
寅は驚いたように、目を大きくした。
「いや、あぶない。相手にそう思われたらあかんよ。私たちてカモなんやねて思われたらあかんよ」
「そんな・・・」
「あんまり、それ、ストレートに出されると、逃げるで」
「意地悪だな」
「それが現状ということや。それを知って改善せな。あんたと会社の方針がぶれたらあかん」
「うん」
「うちもなあ・・・しばらく、こっちには来られへん」
「なんで?」
「6回分の旅費使うてしもたさかい」
「出してあげるよ~」
「って、皆、言ってた」
「わかったよvv」
「そ?」
「ねえ・・・」
「何?」
「恋人に戻ってくれますか?」
「どないしよう・・?^^」
「駄目・・・なの?」
「う~ん・・・ええけど・・・。そやね・・・こんなん、ピッカピカのあんたを放っておいたらあかんね^^悲しい顔だけさせてたら、あかんね」
「だろ?」
「うん」
二人はちょっと見つめ合って笑った。
「こっちへ来るかい?」
「あっちのお部屋?」
「そう」
「そやね・・・^^」
「行こ」
「うん・・・」
寅はキコの手を引っ張って、寝室のほうへ行こうとした。キコは何気なく、寅の足元を見て、ぷっと笑った。
「どうしたの?」
「思い出したんや」(笑)
「何を?」
「撮影の見学。(笑) あんたがなかなか出てこなくて・・・。控えのテントの中にあんたの座ってる足が見えた。(笑)白い手袋してたやろ?」
「うん」
「皆でなあ・・・。『あれ、ヨンジュンさんやろ? 足がエレガントやね~。さすがや^^』て言うてたの。(笑)」
「なんだよ、それ」
「ふふ。(笑) でも、それしか見えんかった! それが撮影見学や」
寅は驚いて、キコをじっと見た。
「何?」
「・・・」
「どうしたん?」
「胸が痛いよ」
「そうか?」
「うん・・・」
「そうか」
「・・・」
「うん・・・。それでええねん」
「・・・」
「来て。うちが慰めてあげてる・・・。明日から、あんたが戦えるように。負けんように・・・」
「・・・・」
「自分の生き方を曲げたら、あかん・・・」
「・・・」
「うちは、曲げへんで」
「・・・」
「あんたを好きになったこと・・・後悔したくないから・・・」
「ごめんよ・・・」
「言う相手が違うがな」
寅の目に涙が光った。
「来て・・・」
「春はあけぼのだね?」
「そうや・・・夜明けを一緒に過ごそ」
「うん・・・二人で過ごそう」
二人は、寝室のドアを開けると、抱き合うようにして、中へ入っていった・・・。
THE END
Of キコシリーズ29「春はあけぼの」
お怪我をされた家族の皆様が無事に完治されますように、
お祈り申し上げております。
kiko3
追記:
私がキコはんで、お昼のお弁当を「日本食」と書いていて。
他で当日の報告を読んで、「あれ、日本食・・・?」と思った方。
はっきり言って、日本食なんだか、韓国なんだかわからないメニュー。
ただし、私がお箸の袋を見たら、
日本食「●●」とか書いてあったよ。
お店の名前は不確か。書き取らなかったから。
「これ・・・日本食なんだね」
「あ、本当。そんな気遣いいらないのに。それよりおいしいものがいい」
という話をしたから。
とりあえず、私が食べたのが日本食なんで日本食と書きました。
写真はここのブログのゆきさんがアップしたものと同じです。
それと・・・
家族写真の中止は・・・
すごい勢いでスタッフが撮影してたところに入ってきたの。
それで、大きく手を振って、なんか言って中止になりました。
たぶん、彼は強風警報が出たのを聞きつけてきたと思います。
それは大慌てで入ってきたからね。
ケガされた方もいるけど、
それでもまだ、事態は早めに対処できたほうなのかと思います。
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