2009/12/08 21:57
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニソナと私事・・・

Photo

この公式ダイアリーのjoonの表情は見方によっては
ちょっとHな感じさえする・・・

ところで、

ウォン様以外は、ドラマや映画の中で、
彼女を目の前にして、うれしそうにHなことを思って
笑ったり、にやけたりするシーンなんてないよね・・・・

ミニョンさんが少しだけね・・・あったけど。
軽やかだった^^


さすがヨン様・・・

今度は、ラブコメでいいから、
こっちも赤面のそんなお顔も、現代劇でやっていただきたい・・・
それも楽しくね^^




ところで、

やっとアニソナを8話まで見ました^^
といっても、7話は見てないのvv

8話はほとんどjoonの声が聞けなくて残念だったね。



これ、思うんだけど、
アニソナは、【ユジンとチュンサンの話】なんだよね^^
きっと・・・。

ミニョンさんていう私たちの愛すべきキャラは、あんまり関係ないのかもしれないね。


ミニョンさんも軽やかで素敵な人だったのにね・・・。
この彼を楽しむ時期が短い・・・

ミニョンさんは、私の「初恋の人」なのに・・・爆


最初、ミニョンが恋に落ちる相手としては、
チェリンの声が・・・・ユジンに比べて、子供っぽくて

ミニョンは、デザイナーで才媛のチェリンに惚れたんじゃなかったの?
あれでいいのかな~
って、思ってしまったけれど、

ミニョンがそんなに重要でなければ、チェリンがちょっと稚拙な感じでもいいのかな
なんて思い直したりして・・・・。

実写とは、違う人物設定を感じるよね。

そこがおもしろいところかもしれない。


そうそう、
ヨンゴクとチョンアの展開も・・・なんかありそうな気配が・・・ないかな?^^



それにしても、
皆が言うように、オンマたちがなんか・・・。

この人たちの過去の恋のもつれが絡んでくるはずなんだけど、
二人とも全く色気のないおばさんにされちゃって・・・

書いている人は中年のおばさんがあまり好きではないのかな?

ミヒより、ユジンの母親を選んだお父さんの気持ち無視のユジンオンマの作りvv
生活苦を出したかったのか、顔色が悪い・・・心臓が悪いからかしら・・・。

ミヒもツンケンしているだけではかわいそうだよねvv


なんて思うけど・・・要は、【チュンサンとユジンの話】だからね。。。






話は変わって、ブログの仕分けに悩む私・・・。

この左のカテゴリでは読み返しが難しい・・・。

ホントは、創作と、joonのニュースと、私事だけでよかったのかもしれない。

といって、今から全部やり変えは大変すぎるが@@




いつも、創作をBYJシアターとして、一括りにしてしまっているけれど、
これはタイトル別のほうが皆さん読みやすいよね?


って、創作を読んでくださっている方は少ないけれど、
それでも、好きなお話はまた読み返したいかもしれない・・・。


読み返すという点で一番大切なのは・・・創作だ。
joonのニュースは、多くが皆とダブっているから、読み返しの必要はないだろう。
私事は一回で終わりのもの。


う~ん・・・なかなかうまくカテゴリを分けられない私だ・・・。


これは一大決心をしないときれいに仕分けできないかも・・・・。


でも、少しずつ仕分けして、読みやすいブログを目指したいと思う^^






今日のjoonはどうしているだろう?


アニソナの展開に、「オットケ~~~~~」といいながらも、
楽しく「ユジナア~~~」と
アフレコをしているのかもしれない・・・・^^




寒い冬の添い寝は・・・

実写の後半のチュンサンがいいな・・・。


彼が一番温かそうで、気持ちよく寝られそうだ。



本物のjoonは昨年、一昨年あたりから
「年のせいか寒さが身に沁みて」なんて
おっさんくさいことを言い出しているから、
抱かれるより、抱いて寝てあげないと寒がるかもしれないね^^v

今は特に病み上がりだしね・・・^^¥


今度会ったら、抱っこしてあげよう^^v













2009/12/08 00:16
テーマ:【創】オレたちに明日はない カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「オレたちに明日はない」2




BGMはこちらで^^


BYJシアターです。


【オレたちに明日はない】第2部です。


【配役】
イ・ミョンジュン  捜査一課刑事 ・・・・ぺ・ヨンジュン
キム・ジヨン   同じく新前刑事 ・・・チョン・ジヒョン

パク・インソン  同じく刑事  ・・・・チョ・インソン

ソン・ヨンジュ  科捜研・監察医 ・・・イ・ヨンエ



この作品は全てフィクションです。
ここに出てくる団体・名称は実際のものとは異なります。




赴任早々に大きな事件を担当することになったジヨン。
ミョンジュン先輩と二人三脚で事件を解決することができるのか。


そして、ジヨンの暗い横顔は何を意味しているのでしょう。

これは刑事物語なので、
とても辛いシーンもあります・・・。

今日も・・・辛い気分になりますが、
そこに彼らの心を見ていただけるとうれしいです・・・。




冷たい冬の雨が降りしきる中・・・


ではどうぞ、暖かくして、お楽しみください。


ここより本編。


~~~~~~~~~~~~~~




「何のために戦うの?
あなたは答えを探してはいけないと言った

でも、
私には見えない恐怖と
戦いを続けていく虚しさが
とても辛い


あなたは命も辞さないと言った


私は怖い
恐怖が私を包み込む


お願い
助けて

力をちょうだい

いつも私を守って

見えない恐怖に飲み込まれないように

ちゃんと戦えるように
命を惜しまないように

正義のために
愛のために

全力を尽くせるように


ちゃんと
私を捕まえていて」





【オレたちに明日はない】2部



主演:ぺ・ヨンジュン


   イ・ヨンエ
   チョ・インソン


   チョン・ジヒョン





【11月15日・刑事の生活】



帰りの車の中。降りしきる雨の中、視界を開くワイパーが規則正しく音を立てて動いている。

ジヨンは無言で運転し、行きの明るさは全くない。


被害者を見たわけではない。
血を見たわけでもない。


しかし、彼女の感情の重さが、ミョンジュンの心の奥にまで流れ込んでくるようだ。


いったいどうしたというのだ。


今朝、科捜研からインソンと一緒に帰ってきた彼女は、検死に立ち会ったにもかかわらず、インソンを心配しながらも背をピンと正していたではないか。



ミョンジュンが携帯で本部と連絡を取る。


ミ:ミョンジュン。これから署に戻ります。・・・ええ、被害者の遺体は今、科捜研。この雨では警察犬の出動も無理だし。・・・鑑識が頑張ってはいますけど・・・。インソンがデジカメで現場を押さえました。ええ。ええ。科捜研から検死の結果が来たら、知らせてください。




帰りはサイレンを鳴らさず、普通車のように走っている。

しばらく走っていくと、先がかなり渋滞しているようだ。



ジ:先輩、どうしますか? かなり渋滞してますね・・・。雨ということもあるけど、ここから先っていつも渋滞なんですよね。抜け道で行きますか? それともサイレン鳴らしますか?
ミ:サイレンの必要はないだろ。鑑識の結果が出ないと、動きようがないからな。しかし、おまえみたいのが運転手だと楽でいいな、道を知ってて。(ジヨンの顔をちょっと見てにこやかに言う)ミニパトのお姉さんでも紹介してもらおうかな。
ジ:先輩・・・。(全く!横目でミョンジュンを睨む)
ミ:ふん。(笑う)少しは元気になったか?
ジ:えっ?(ちょっと困ったような目をする)
ミ:まあ、いい。

ジ:先輩。実はここ、私の地元なんですよ。
ミ:なんだ、そうか。・・・おまえの家ってこの近くなの?
ジ:ええ。
ミ:じゃあ、着替えを取ってこいよ。オレたちの仕事はいつ泊まりになるかわからないからな。署に少し着替えを置いておいたほうがいい。
ジ:そうなんですか? ・・・でも、先輩みたいに、住み込みはちょっといやですけど。
ミ:・・・。(笑う)
ジ:・・・わかりました。少し持っていきます。
ミ:オレは車で待ってるから。
ジ:はい。





ジヨンのアパートの前に車を止める。エンジンを切ったので、カゼ引きのミョンジュンに悪いと思い、


ジ:・・・先輩。寒いから、上がってください。





ジヨンは自分の狭いアパートにミョンジュンを入れ、まず電気ストーブのスイッチをつけて、ミョンジュンに特等席のベッド下の座布団に座るようにすすめてから、コーヒーメーカーをセットして、自分は洋服ダンスの中から服を取り出す。

3日分ほどの着替えと下着を1週間分ほど。そして厚手のコートを用意して、ボストンバッグに詰め込む。洗面所に行って、歯ブラシや化粧品をまとめてポーチに入れ、タオルとバスタオルも2枚ずつ持って、部屋に戻ってくると、ミョンジュンが床に蹲ったように、横に倒れて寝ている。ハンチングを脱いで、マスクは呼吸しやすいようにアゴにかけている。


サングラスをしたままのミョンジュンの顔を見て、ジヨンがゆっくりと近づき、サングラスを外す。
そして、首をかしげて、ミョンジュンの顔を見入った。



ふ~ん、こういう顔なんだ・・・。



ミョンジュンの携帯が鳴った。
ぼんやりとした目つきでミョンジュンが目を覚ました。

ジヨンはミョンジュンと目が合い、一瞬驚いて一歩退き、リビングテーブルに膝の脇をぶつける。


いった~い!vv


ミョンジュンは、膝を押さえて痛がるジヨンの顔を見ながら、携帯に出る。


ミ:もしもし、ミョンジュン。検死結果は明日ですか? 混んでるの? わかりました。担当は、ソン・ヨンジュにお願いしてありますよね? わかりました。これから署に戻ります。(携帯を切る) 署に戻るぞ。
ジ:あ、はい!(膝を押さえながら、慌てて、サングラスをミョンジュンに渡す)



ジヨンはストーブを消して、ボストンバッグを持ち、コーヒーを入れたポットも持つ。


ミ:(ハンチングとサングラスを持って立ち上がる)何それ? (ポットを見る)
ジ:コーヒー、入れたんです。先輩に出そうと思って。車で飲んでください。(ポットを差し出す)
ミ:(ジヨンの顔を見て微笑みながら、ポットを受け取る)サンキュ!
ジ:(ミョンジュンと目が合い、ちょっと赤くなる)行きましょう。


ミョンジュンがサングラスをかけた。








二人はまた覆面パトカーに乗り、警察に向けて走っている。


車の中で、ミョンジュンがコーヒーの入ったポットを掴む。


ミ:おい、なんで人の顔なんか見てたんだ?
ジ:えっ?・・・先輩の顔、知りたいじゃないですか。顔も知らない人と一緒に働くなんて変ですよ。
ミ:まあな・・・。で、感想は? (ポットのふたを開けている)
ジ:(ちょっと赤い顔だが、)えっ? 別に・・・。ちゃんと人間の顔をしてて、ホッとしました。
ミ:(笑う)そうか・・・そうだな。(カップにコーヒーを注ぎ入れ、飲む)うまい。あったまるよ。


ジヨンは運転しながら、ミョンジュンを横目で盗み見して、微笑んだ。








署に戻ってから、被害者の同僚や家族の事情聴取をして、一応終わったのが、午後11時過ぎだった。
今日もミョンジュンは泊まりと決めていて、インソンは報告書をまとめると、さっさと帰っていった。


ジヨンは悩んでいた。
帰るべきではあったが、自宅から着替えを持ってきていたし、この雨の中、わざわざ、電車に乗って帰るのが面倒くさい。


結局、ミョンジュンに右へ倣いで、泊まることにした。

しかし、このまま、あの先輩ミョンジュンのペースに合わせていると、自分も自堕落になっていきそうな気がして、彼のペースに乗らないようにしないといけないとは、薄々感じてはいるのだが・・・。









【11月16日・命の重さ】


翌日午前10時30分。
科捜研から検死の結果が出たという連絡が入り、ミョンジュンとジヨンが科捜研へ向かった。



行きの車の中で、突然ミョンジュンが言う。


ミ:おい。そこで、止めろ。
ジ:どうしたんですか? 何があるんですか? あそこに。(前方を見る)
ミ:あそこのドラッグストアで、コロンを買って来てくれ。(お金を渡す)

ジ:なんで?

ミ:おまえがオレのこと、臭がってるのはわかってるんだ。オレだって、気持ちが悪いんだよ。風邪を引いて熱がある時は臭うもんさ・・・。さいわい、今のオレは、鼻が利かないから自分ではわからないけど・・・。
ジ:そんなあ、いいですよ、先輩・・・。
ミ:早く行けよ。ただし、5分で買ってこい。わかったな・・・。おまえの好きなのでいいから。

ジ:・・・。・・・・。行ってきます!(車のドアをバタンと閉めて、店へ走っていく)
ミ:・・・。


ミョンジュンは咳をしながら、助手席に蹲るように座り、彼女の後ろ姿を見送っている。




ジヨンは5分きっかりに走って車に戻ってきた。


ジ:はい、先輩。(袋を手渡す)
ミ:サンキュ!


ミョンジュンが袋の中を覗くと、コロンではなく、携帯の使い捨てカイロとマスクが入っている。
顔を上げて、ジヨンを見る。



ジ:先輩。カゼを引いている時は、体を冷やさないほうがいいですよ。アンド、先輩、そのマスク、ババッチイですよ。(鼻にしわを寄せる)きっと菌がウヨウヨしてますよ。新しいのに変えたほうがいいです。使い捨てできるように、予備も買ってきましたから。


ミョンジュンは袋の中を見てから、ジヨンを見て微笑む。
ジヨンは自分用に買ったメンタムの小さな容器をミョンジュンの目の前に出して見せる。



ジ:ほら、これを鼻の下に少し塗れば、(塗って見せる)先輩のニオイも我慢できます。
ミ:・・・。
ジ:先輩・・・死体と同じですよ・・・。(見つめてから笑う)
ミ:チェ、こいつ。(口では怒っているようだが、うれしそうに微笑む)おい、つりを寄こせよ。
ジ:・・・。(聞こえないふりをして、方向指示器を出し、通りを見る)


ジヨンは知らん顔で、車を発進する。


ミ:おい、つり!(ジヨンのほうへ手を伸ばす)
ジ:そんな約束しました? 先輩! 子供の使いじゃないんですよ。私、これでも時給は高いんです。(ちょっと横目で見る)

ミ:こいつ・・・。



ミョンジュンは鼻で笑うが、そのまま黙って、ジヨンの言う通り、新しいマスクに替えて、二人の乗っている車は、科捜研へ向かった。







科捜研の地下。
昨日の朝も訪ねたところだ。捜査一課に配属されてから、連日訪れているこの解剖室。
こんな暮らしをしていたら、死に対する感覚が麻痺してしまう人がいてもおかしくないだろう・・・。



昨日、インソンが教えてくれたように、今、ジヨンは自分用に購入したメンタムをポケットから出した。
確かにこれだけでもあの異臭から身を守れたし、それだけでも救いだった。
ミョンジュンがジヨンの様子を見て微笑んだ。



解剖室に入ると、昨日とは違う女性の監察医がいた。


ミ:おはよう。
ヨ:いらっしゃい。新人さん?
ミ:ああ。昨日から捜査一課に配属されたキム・ジヨン君。
ジ:キム・ジヨンです。よろしくお願いします。
ヨ:監察医のソン・ヨンジュです。よろしく。じゃあ、早速見てちょうだい。


3人は遺体の前に立った。

報告書でも身長が170と書いてあった通り、大柄の女性だった。残念ながら、細かな土砂が付着していて、生きていた時の美貌を台無しにしていた。

それを見て、ジヨンの目が少し曇った。ヨンジュがそんなジヨンの目を見た。



ヨ:大丈夫よ。お葬式の時には、葬儀屋さんがとてもキレイに仕上げてくれるの。だから、遺族も少し救われる。でも、私達は亡くなった時の様子を残して観察していかないと、真実を探し出せないのよ。
ジ:・・・そうですね・・・。

ヨ:ではいいかしら。まず、殺害時刻は、発見された日の前日。つまり、11月14日の午後6時30分から7時30分ね。
ミ:もっと正確には出ないのか?
ヨ:ええ・・・あの土砂降りと発見現場の泥濘のせいで、このくらいの誤差は出てしまうのよ。被害者の胃の中はクッキーが少し残っていただけ。この人、幼稚園の先生だったわよね。給食はちゃんと消化されていたわ。殺されたのはまだ食事前ね。
ジ:同僚の先生が残業していた時、少しクッキーを食べたと言ってましたね・・・・。それから、幼稚園を出たのが6時45分ごろだったそうです。(自分のメモを読んで、ヨンジュの話も克明にメモを取る)

ヨ:ちょっと下半身を見て。


ヨンジュが遺体を覆っていた白い布を剥がした。遺体の全貌が明らかになり、ジヨンは自分と同じ年頃の女の子の無残になった肉体の全貌を見る。
ジヨンの目が少し翳った。


ヨ:辛い? 同じような年頃よね。


ミョンジュンもジヨンの顔を見た。


ミ:昨日も来たんだろ?
ジ:・・・昨日は酔っ払いの男性の凍死でした。
ミ:そうか・・・。(ヨンジュを見る)
ヨ:(ミョンジュンの顔を見て)続けるわね。ジヨンさん、辛かったら、あっちで座ってて。
ジ:いいえ・・・。見届けます。それが私の仕事ですから。
ヨ:わかったわ。じゃあ、腰から下を見て。引きずられた痕があるわ。ここでしょ。ここも、ここも。わかる? これは死後についた傷よ。でも、そう長い距離じゃないわね・・・。道の様子によっても違うけど、10mはいかないわ・・・もし、山道だったら、5mとかでもおかしくないわね。

ジ:ずいぶん短い距離を移動してるんですね・・・。(観察している)
ミ:あの木か・・・犯人がメッセージを残してるんだ。遺体の置かれたすぐ横の木に。新しく彫られたものだから、たぶん、犯人のものだ。あの木の下に遺体を置きたかったんだな。
ヨ:なんて? なんて彫ってあったの?

ジ:こう書いてあったんです。(メモに走り書きをして見せる)「Trait」トレイト。「特徴」とか「特質」とか?
ヨ:ふ~ん、何かしらね。じゃあ、今度は致命傷になった胸を見て。



3人は移動して胸を見る。


ヨ:こことここの2箇所が、致命傷ね・・・。たぶん、ここの2箇所をやって、ほとんど即死状態だったと思う。そのあと、周りを傷つけているのよ。
ミ:なんのために?
ヨ:憎しみ? あるいは偽装、快楽か・・・。
ミ:性的には傷つけられていないのか?


ジヨンがドキッとして固まった。ヨンジュがその様子を見逃さなかった。


ヨ:全く。犯人は性的には全く興味がなかったみたいね。ただの殺人。
ジ:人を殺したくて襲ったってことですか?
ヨ:知人かもしれないわよ。まだ犯人像は固まってないんでしょう?
ミ:ああ。・・・凶器は何?
ヨ:うん。見て。傷がとっても細いでしょ? アイスピックのようなもので、刺してる。それにしても、この犯人は背が高いわ。

ミ:なぜ?
ヨ:ほら、被害者の胸、斜め下の角度で刺し傷になっているでしょう? それから、たぶん、左利き。傷が全て被害者の左へ逃げてるわ。ねえ、ミョンジュン、ジヨンさんを刺すマネをしてみて。



ミョンジュンがジヨンの胸をボールペンで刺すマネをする。


ヨ:ね? 被害者と同じくらいの背の高さのジヨンさんをあなたが刺すとしたら、この角度では刺せないの。ミョンジュンくらいの人だったら、ほぼ胸に対して垂直に刺し傷がつくはずだわ。彼女を座らせて刺すかしないとね。座っているところを殺したか、あるいはあなたより背が高い・・・190cm近い相手ね。

ミ:うん・・・。あの土砂降りの中では、座らせたと考えるより立ったまま刺したと考えるほうが順当だろうな。もし立って刺したなら、男であることは確かだな。そんなに背の高い女はいないだろう・・・。

ヨ:それにすごい力だわ・・・。これって憎しみかしら? こんなに力強く容赦なく、二突きで人を殺すなんて・・・。両方とも致命傷だもの。それに、もしアイスピックなら、ここまで刺すというのは、かなりの意志と力が必要よ・・・。
ジ:同じ人間なのに、簡単に人を殺せるなんて・・・。(呆然とする)







ミ:ありがとう。また、なんか新しい発見があったら教えてくれ。
ヨ:わかったわ。


ミョンジュンとジヨンが部屋を出ようとすると、奥からヨンジュが呼び止める。


ヨ:ねえ、待って。(ちょっと考える)ジヨンさん。さっき、「Trait」トレイトって書いてあったわよね・・・。
ジ:はい。
ヨ:もしかしたら、それって途中で終わったのかもしれない。
ミ:途中?
ヨ:ええ。「Traitor」トレイターもしくは女性だから「Traitress」トレイトレス。・・・「裏切り者」よ。
ミ:裏切り者・・・?
ヨ:わからないけど、「Trait」では、特徴とか特質とか・・・意味がちょっとわからないでしょ?
ミ:そうだな・・・。ただわかったことは、英語が少しできて、ある程度教養がある人間だと言うことだな。
ヨ:・・・そうね・・・そして、心は野蛮だということね。


3人は見つめ合った。







二人は、署に戻り、会議室でデータを整理している。
被害者の両親の話では、とても親孝行で、どちらかというと内気で、恋人もいなかったという。その彼女はなぜ、裏山まで出かけたのか・・・。


勤務する幼稚園から小学校の裏山まで、歩いて10分ほどの距離だ。あの日も午後から雨が降っていた。
わざわざ、あんな泥濘のある場所まで行く理由は何なんだ。



ジ:先輩、もう少し交際範囲を広げてみますか?
ミ:そうだな・・・。おまえ、あの遺体の顔を見たか?
ジ:ええ。
ミ:どう思った?
ジ:どうって?
ミ・写真で見ると、ただ驚いている感じだが、よく見ると、悲しげでやさしい目をしていなかったか・・・。
ジ:・・・恋人だったんでしょうか・・・あるいは、好きだったんでしょうか・・・その殺人鬼を。
ミ:う~ん。なんかそんな気がしてならないんだ。淡い思いがあったかもしれない・・・。

ジ:それなのに、無常に殺したんですね。
ミ:うん・・・。しかし、先週、殺されかけた女性は小柄だったな。何センチだっけ、背の高さは?
ジ:え~とお、あ、153cm。小さいですね・・・それに何箇所も胸を刺されているわりには致命傷にはなっていない・・・。似ていながら、全く感触が違いますね。
ミ:暴行痕もあったな・・・。凶器は・・・。(資料を見る)カッターのようなものか・・・。
ジ:違う犯人でしょうか。そこにある殺意が違うような気がしますね。
ミ:あり得る・・・しかし、なぜ、同じ雨の日に襲うのか・・・。オレならもっと上手に殺せるという自己顕示欲か・・・。
ジ:やですね・・・。
ミ:それに、本当に「裏切り者」なら、何を裏切ったんだろう?
ジ:もう少し男関係をさらわないとダメですね。
ミ:今日は、幼稚園が終わるのは3時だったね。それまでに、もう一度、整理して、同僚への聞き込みを正確にできるようにしよう。
ジ:はい。

ミ:少し休むか?(ジヨンを見る)
ジ:え? 
ミ:おまえも朝から検死じゃ疲れただろう。コーヒーを取ってくるよ。(立ち上がる)
ジ:先輩、私が。
ミ:いいよ、オレが二つ持ってくる。おまえは休んでろ。
ジ:はい。







捜査課の奥まったところにある小さな会議室で資料を広げていた二人だが、ミョンジュンが出て行き、ジヨンはちょっと机にうつ伏せになる。


二つの事件は別の犯人なのか・・・?









制服姿の、高校3年生のジヨンが7月の終業式を終えて、家路に向かっている。

学校からの帰り道、竹林の横を歩く。
そこは人の往来がほとんどない。
しかし、まだ昼間で外は明るく、夏の暑い日差しを竹林が遮り、やさしく涼しい風を運んでくる。
ジヨンは近道を選んでここを歩いている。


後ろから、声をかけてくる男がいる。


男:お嬢さん。すみません、ちょっと道を教えてほしいんだけど・・・。


ジヨンは振り返り、その男を見る。・・・どこかで見たことがあるような気がするが、記憶が定かではない・・・。


誰だったかしら?


こんな土木作業員みたいな格好をした人に知り合いはいなかったと思ったけど・・・。


ジ:どちらへいらっしゃるんですか?


男はにんまりと笑った。そして、


男:あんた、妹にそっくりだな・・・。同じことをしてあげようか?


ジヨンが訝しそうに男を見る。
男が近寄ってきて、ジヨンをまじまじと見て、いやらしい笑いを浮かべる。


男:ふん(笑う)、 同じにしてほしいか・・・。


男の手がいきなり伸びてきて、ジヨンの首を絞める。
苦しい息の中、男を見つめる。

男の力に押されて、二人はもつれるように竹林の中へ落ちていく。



ああっ、ナヨンを、ナヨンを襲ったやつ!



ジヨンは目を見開いて、男の顔を見る。



ああ、ああ、もう苦しくて息ができない・・・。





もがくが、男を押し退けることも、足蹴りすることもできない。

体が全く機能しない! 
体が重くて、ゆっくりとしか動かない。





助けて! 

・・・助けて! 


助けて! 



助けて、先輩!!!


先輩!!!








はあ! 


ジヨンは会議室で目を覚ます。

今、首を絞められた感触が生々しく彼女の首に残っている・・・。




はあ、はああ・・・あれは・・・あの男は・・・。


ジヨンの心を過去へ引き戻す暗い夢。




後味の悪い夢から覚めて、部屋の中を見回すが、ミョンジュンの姿はなく、ジヨンのために入れたコーヒーだけが置いてある。


どこへ行っちゃったのかしら?


会議室を出て行く。

捜査一課のデスクではインソンがPCに向かっている。次長が、壁際にあるコーヒーメーカーの前でコーヒーを入れている。


ジヨンはインソンの前へ行って、


ジ:ミョンジュン先輩は?
イ:(顔を上げて)医務室だよ。
ジ:ええっ!



ジヨンは驚いて、医務室の方へ走っていく。

次長がその様子を見て、


次:どうしたの? ジヨン君は?
イ:(首をかしげ)さあ、先輩が危篤とでも思ったんでしょうか?
次:まあ、あり得る・・・・。(コーヒーを啜る)








医務室にすべるように走りこんだジヨンは、ナースのシンジャに聞く。


ジ:ねえ、ミョンジュン先輩は? 先輩はどこ?! (せっぱ詰まったように言う)
シ:どうしたの? なんか事件なの? ミョンジュンさんなら、今・・・。(カーテンのほうを指差し、振り向く)



ジヨンは真剣な顔つきで、カーテンのほうへ向かい、ザアッとカーテンを開ける。


ミョンジュンは、ハンチングを取り、サングラスを外して、セーター姿で点滴をしながら、ベッドに横たわっていた。


ジ:先輩!(大きな声で呼ぶ)
ミ:(目を開ける)どうしたんだよ? 何か事件でも起きたのか?
ジ:(のんびりしたミョンジュンを見て)いえ・・・そうじゃないんですけど・・・。(決まりが悪そうな顔をして髪を掻き揚げる)
ミ:(笑顔で)どうした?
ジ:いえ・・・。(困る)


ミ:まあいい。イスを持ってきて、座れよ。(やさしい目をする)
ジ:いえ・・・。(困っている)
ミ:おまえもここで少し休めよ。(見つめている)
ジ:あ、はい・・・。(イスを引き寄せてくる)
ミ:カーテンも引いてくれ。
ジ:はい・・・。(カーテンを引く)




ミョンジュンとジヨンだけの空間になった。


ミ:ゆっくりしろよ。事件は、今始まったばかりだ。3時の事情聴取までまだ時間はある。少し考えを整理してからもう一度始めよう。
ジ:はい・・・。(かしこまって座っている)

ミ:(ジヨンを見る)少しは落ち着いたか?
ジ:えっ?
ミ:・・・ちょっと、さっきの様子が普通じゃなかったから・・・。
ジ:あっ・・・。
ミ:・・・話してみろよ。
ジ:いえ・・・。(ちょっと俯く)

ミ:わざわざオレを探しに来たんだろ?
ジ:ええ・・・。でも・・・。(俯いたまま、目だけミョンジュンを見る)
ミ:今は時間がある・・・。言ってみろよ。
ジ:う~ん。・・・。・・・。ただの夢の話なんです・・・。
ミ:それでもいいさ。(やさしい目で見つめる)言ってみろよ・・・。



ジヨンは躊躇うが、さっきはどうしてもミョンジュン先輩に会いたかった。



先輩に会って・・・何を言いたかったのか・・・何をしてほしかったのかはわからない。
でも、先輩にあの時助けを求めたように、心の底から、先輩を求めて、会いたくてここへ来たのだ。



ジ:(ミョンジュンの顔をじっと見る)昔よく見た夢なんです。最近はほとんど見ていなかった・・・。(遠くを見ながら話す)高校3年の夏を思い出したんです。通学路の竹林のある道で・・・あの男は声をかけてきた・・・。
ミ:・・・。

ジ:・・・道を教えてほしいと言ったんです。初め、私は・・誰だかわからなかった・・・見たことのある顔。それは・・・。・・・。(辛そうに言葉をのむが)それは・・・妹をレープして殺害した、あの男でした・・・。近くの工事現場に来ていた、土木作業員。卑劣なやつ・・・。あいつに高校生の私が殺される夢なんです・・・。私があいつを見たのは、実際には大学2年生になってからの公判でです・・・あいつは妹を殺した後も他の女の子を襲い続けた・・・。高校時代になんか会っていない・・・出会ってしまったのは、高校1年生の妹なんです。夏休み前の終業式の日・・・。昼間で道はまだ明るかった・・・彼女は近道をしたんだと思います・・・。その日は、私は委員会があって、一緒に帰ることができなかった・・・。そこを通るなって言ったのに・・・。一人で歩くなって言ったのに・・・。(涙が出てくる)


ミ:そうか・・・。


ジ:あの男は、公判で、私を見つけて、こう言ったんです。「そっくりだね、お嬢さん・・・。あんたに妹と同じことをしたやろうか・・・」(言葉に詰まり、涙が流れる)

ミ:もうそこまででいい・・・。

ジ:いえ。(涙を拭う)そして、こう言ったんです。「オレは姉貴のあんたともやりたかった」って・・・・。それも笑って・・・。



ミ:・・・・。いいか、ジヨン。おまえの妹を襲ったやつは、今、刑務所の中だ・・・。そいつのことは、忘れろ。犯人のイメージをそいつとダブらせるな。そうしないと、本当の犯人を見失ってしまうぞ。オレたちが追っている犯人は、その土木作業員ではない・・・。同じ土木作業員かどうかもわからない。真面目そうなやつかもしれない。美人の被害者が振り向くほど、いい男なのかもしれない・・・。普通に道を歩いている男・・・。普通に暮らしている男。英語でメッセージを残せる男・・・。見失うな。


ジ:でも! でも、あいつは、妹を、罪のない妹を、地獄へ陥れたやつなんです!




ミョンジュンを強い視線で見つめ、ジヨンの顔には、やりきれなさと怒りが表れている。

ミョンジュンがジヨンの顔をじっと見つめた。



ミ:ジヨン、手を貸してみろ。(点滴をしていない右手を伸ばす)



ジヨンは言われるままに、右手をミョンジュンのほうへ伸ばした。
ミョンジュンは、ジヨンの手をぎゅっと握って目を瞑った。


ジヨンはその手の温もりに、急に、声を張り上げて泣き出したくなった。




今まで心の奥深くしまっておいた思いがふき出した。

親にも言えなかった・・・こんな苦しい夢を繰り返し見てきたなど・・・そんなことを言って悲しませたくなかった。
今なぜか、ミョンジュンには自分の思いを素直に表現することができる・・・。


ミ:いいか、泣きたい時は我慢しないで泣くんだ。いいな・・・。辛い気持ちを閉じ込めたままにするな。オレたちの仕事は、これから、もっと、辛いことばかりが増えていくんだ・・・。


ジヨンはミョンジュンの温かくて大きな手を両手で握り締め、その手を見つめている。



ミ:そして・・・その男を忘れろ・・・。
ジ:無理です! 先輩、先輩は私の何を知ってるんですか? 私の何がわかるんですか?
双子のように育った大切な妹を殺された私の何がわかるんですか?!


ミョンジュンは静かに目を開けた。


ミ:おまえは、おまえの心が生き残れるように踏ん張れ。
ジ:・・・。(胸がいっぱいになる)

ミ:おまえは何のために刑事になったんだ・・・? 不幸な死を迎えた妹の仇を討つためか? 自分をもっと惨めにするためか? もっと意味のあることを見出せよ。
ジ:先輩。・・・私、あいつらが憎いんです・・・罪もない妹の命を奪って・・・。でも、とても怖いんです・・・。自分もあいつらの餌食になるんじゃないかって。(涙が出てくる)気持ちが今も負けそうになるんです。あいつらが・・・あいつが私を支配しそうになるんです・・・。

ミ:ジヨン、おまえなら勝てる。自信を持つんだ。卑怯なやつらに負けるな。
ジ:ええ・・・。でも。

ミ:おまえは一人じゃない。オレたちがついてるじゃないか。




ジヨンは、後から後から流れ出てくる涙を堪えることができなかった。


今、長い年月、思い続けたこと、思い悩んだことを吐き出すことができた。
あいつらに負けそうだなんて、心が支配されそうだなんて、いったい誰に言うことができただろう・・・。


ただ無言でミョンジュンを見つめて泣く。
ミョンジュンはやさしくジヨンを見つめて、しっかりと手を握り、また目を閉じた。



ジヨンは、ベッドに横たわるミョンジュンの右手を両手でしっかりと握り締めた。この手の中に、ジヨンの思いは全て受け止められたような気がする。


ジヨンはまるでその手に添い寝するように、ミョンジュンの手に頬を寄せて、声を殺して泣き、静かに目を閉じた。








3部へ続く。







そして事態は思わぬ方向へ向かっていきます。


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