KA・ZO・KU ― あの日のジュン ―
さっきまで久しぶりに「四月の雪」を見ていました。で、いきなりインスモードに入っち
ゃった私^^やっぱりいいですね~。早く彼の新作を見たい!っていう訳で・・
「KA・ZO・KU」シリーズ持ってまいりました。これは珍しいジュンの語り。
デビュー後に笑(えみ)、レウォンと離れていた頃の話です。
何故、今日これかって?そりゃあ・・インスのラブシーンを見たからさ~^^
「よう!レウォン、久しぶりだな。でかくなったな~!」
2年ぶりに、レウォンに逢った。
逢いたかった。
ほんとに、大きくなった。
もう、小学生に・・なったんだよな・・
レウォンは僕の顔をみるなり、僕の胸を叩きだした。
涙で、もうぐちゃぐちゃだ。
ごめんよ・・・
忘れていた訳じゃないんだ。
お前の事も。
ヌナのことも。
いや。
逢いたくて・・・逢いたくて・・・
僕は自分を見失いそうだった。
そんな時、今回の台本を読んだんだ。
その役はバツイチの子持ちの大学教授。
堪らなかった。
レウォンの顔が、ヌナの顔が浮かんだ・・
僕は、マネージャーの制止も、社長の声も無視して、
3日間の休暇を宣言した。
僕の・・・“家族”に逢う為に。
逢おうと思えば、逢えたはずなんだ。
特に、ヌナ、君にはね。
君は相変わらず、あの映画会社で働いていたし、
僕は、俳優になった。
接点が無いわけじゃない。
今日も、ここに来る前、会社の前で、君の姿を探していた。
だけど、“かぞく”に見つかって、しかたなく車を走らせた。
近すぎたんだ、君と僕は。
デビュー直後のもろもろの忙しさ。
新人賞
インタビュー
写真撮影
バラエティー番組・・
事務所の方針は絶対だ。
君の事を話したら・・・「もう逢うな」と止められた。
忘れられると、思ったんだ。
子持ちの未亡人とのスキャンダルなんて、
確かに僕を一発で仕留められる。
他の女性とも付き合った。
ただ、そのためだけの行為も。
“恋をしてる”そう思ったこともあった。
だけど・・違うんだ。違ったんだ。
「愛している」とも、
「待っていてくれ」とも、
君には何も言っていなかった。
君の気持ちは知っていたのに。
そうだ。
僕が僕で在るためには、君しかいなかったんだ。
僕を丸ごと包んでくれる、君だけしか。
そんな事・・・初めからわかっていたのに。
久しぶりのこの部屋。
レウォンと過ごす、楽しい時間。
驚いた君の顔。
半泣きの君の顔。
僕は、初めて君の手を握り、
初めてその身体を抱きしめた。
そして、今夜。
僕はやっと君を手にいれた。
それは・・優しく・・暖かく・・
初めから僕の居場所は此処なのだと僕に教えてくれた。
僕は、後ろから君を抱きしめ、その髪にくちづける。
「ねえ・・初めて逢った時、僕の事、変な奴だと思った?
逢って間もないのに、“ヌナ”って呼ばせろとか、
“ジュン”って呼んでくれとか」
「うん、思った。確かに・・・変な奴だった」
「ハハハ、ヌナに逢ったのはあの時が初めてじゃなかったからね。
ヌナは知らなかっただろうけど。」
「え?」
「初めはね、ヌナの“声”に惚れたんだ」
「・・声?」
「うん、声。僕、制作の下っ端だっただろ?
最初はほとんど電話番だった。当然、内線も僕が受ける。」
「ある日ね、すごく威勢のいい、よく通る声の女性からの
内線を受けたんだ。
“もしもし?広報の高山だけど。ねえ!ポスター撮りの件、
どうなってんの?公開の日は待ってくれないのよ!
ねえ、ちょっと、聞いてるー??”って。」
「あ!・・・」
「スゴク気持ちのいい声で。どんな人なんだろう・・って。
見に行ったんだ。それが最初。
それから、ヌナの声が聞きたくて、電話番も楽しくなった。」
「知らなかった・・」
「あの日、ヌナに声掛けてもらって、嬉しくて・・
舞い上がってた。ツイてるぞ!そう思った。だからほんとは、
ヌナの名前も、日本人なのも、年齢も知ってたけど、黙ってた。
・・嫌われたくなかったし。」
「ジュン・・・」
僕は、くるりと、君を僕の方に向ける。
「今頃こんなこと言うの、反則?」
「反則よ・・・・・だって、まだ信じられない・・
私が・・私だけが愛してるんだと思ってた。
ジュンはただ、姉の様に慕っててくれてるだけなんだって。
だって、私にはレウォンがいるし。5つも年上だし、
あなたはもう・・立派なスターだし」
「僕を俳優にしたのはヌナじゃないか。
ヌナがいなかったら、今の僕はいないよ。」
「それは、そうだけど・・・
ほんというと、チョッピリ後悔してたの。
私の手の届かないとこへ行っちゃったから」
「そう?ヌナが嫌だったら、いつでも辞めるよ!
僕は元々、監督志望だし、もう留学費用溜まったし」
「バカ!何言ってんのよ!これからなのよ!
あなたはこんなとこで終わる人じゃないわ。
あなたはもっと、大きなところに出て行ける。
私、思ってた。あなたはスゴイ俳優になるって。
きっと、世界中の人たちに愛される俳優になるって・・・」
「ハハハ、じゃ、もっと愛してもらうために精進しなきゃね。
・・・ねえ、さっきから“あなた”って呼んでくれてるね。
嬉しいな。もう一回呼んでみて?」
「えっ、そんな事言ってなっ・・・イヤよ、もう言わない。」
「言ってくれないの?意地悪だな。
そうか。結婚したら、呼んでくれるの?」
「結婚?」
「そう、結婚。してくれるんだよね、僕と。」
「そんなこと、考えてなかった。・・・あなたと結婚?
だって、私は・・それに、あなたは、これからの人なのに、
そんな、結婚なんて・・・」
「じゃあ、待ってて。僕が、もう少し大人になるまで。
ヌナとレウォンを守れる自信が出来たら、もう一度プロポーズする。
だから約束して。僕を待ってるって」
「ジュン・・ちょっと、待って。」
「約束して!僕を待ってるって!」
「・・ジュン・・ホントに?私、待っててもいいの?」
「あぁ、本当だよ。約束だ、必ず。
君を迎えに行く。待ってて、ヌナ・・」
「う、う~ん・・・・かあ・さ・ん・・ヒョ・ン~・・」
「・・あっ」
「~んむ、や・ぁ・・・ぼく・・の、か・えせよ・・・・」
「おい、レウォン・・・寝言?ハハ、まいったな」
「ふふふっ・・・ハハハッ・・・」
「笑うなよ!こら!ぷっ・・ハッハッハ・・
・・ねえヌナ、今度・・・・・ホテル行こうか?!」
「バカね。イ、ヤ、よ!」
「じゃあ、旅行行こう!こんどのドラマが終わったら。
ね?そうだ、海外ならいいだろ?」
「どっちにしろ、レウォンも一緒よ。じゃあ同じじゃない。
やっぱり、私たち・・」
「ストップ!!分かった!部屋を二つ取る。ね!これで決まりだ。
交渉成立。もう、文句は言わせない。」
「まったく、子供なんだから。
レウォンとたいして変わらないっ・・キャッ!」
「僕は大人だよ」
「ジュン・・こら!・・・さっきまだ自分で大人じゃないっ、て
あっ・・・」
「しっ、ヌナ。レウォンが起きるよ。声、出さないで」
「ん・っ・・」
「ゴメン!前言撤回・・やっぱ、ヌナの声、聞きたい」
「・・バ・・カ・・・・」
ああ、幸せだ。
今、きっと、間違いなく、
僕が世界で一番幸せだ。
ヌナ。ごめん。
結婚は、もう少し先になってしまいそうだけど。
約束するよ。
僕が、もう少し自分に自信が持てたら。
君に胸を張れる俳優になれたら。
必ず、君とレウォンを迎えに来る。
だから、ヌナ。待ってて・・・
僕と、“家族”になる日を・・・
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