2009-05-16 00:27:59.0
テーマ:鳳仙花が咲くまでに カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

鳳仙花が咲くまでに 14話 「ファーストクリック」

Photo

最近、民主党関係のニュースでよく聞く単語・・「副代表」


個人的にこの言葉を聞いて萌~^^な気分になってるのは、きっと私だけ(笑)


今回、バーニーのその肩書きが結構出てきます。

私、お気に入りの呼び名なんですよ(笑)

 

 



・・夏ってこんなに短かったかな。


罰ゲームみたいな暑さを先生は好きだと言ったけれど、

私は早く夏が終わって欲しかった。


失った時に初めて気付くのかも知れない。

そこに掛け替えのない幸せがあった事を。


いつまでも夏が終わらなければいい。

でも、それに気付くのは・・・・凍える、冬。

 

 

 

 

「私が見えるか!!」


「うお~~!!」


「私の声が聞こえるか!!」


「うお~~!!」


「遅れずについてまいれ。私が先頭を走る!」

 
「仁、いい声出てるじゃないか。

昨夜は飲まなかったのか?」


「木島!」
「代表!!」
「お帰りなさい、代表!」

 

仁達の声に振り向くと、そこにはニヤニヤ笑った

木島代表が立っていた。

独特の少し照れた顔で、稽古場のドアにもたれて。

 

11月。


予定より少し遅れて、木島代表が帰国した。

韓国で初演出したミュージカルも好評の内に幕を閉じた。

ホッとする間もなく、韓国内で太王四神記のプロモーション

活動を始めた代表は、芸能番組や雑誌の取材に応じ、同時に

キムプロとの契約、版権問題、衣装の手配とその他もろもろ

の雑事をこなしてきた。

(あまりの繁雑さに手を焼いて、NYからクリスを無理矢理

呼び出し、結局後半は殆ど彼がやっていたという話だが)


少し日焼けした顔に疲れの色は隠せないけれど、

いつもの人懐っこい笑顔は変わらない。

 

 
「お疲れ様です、代表。申し訳ありませんでした。

空港まで迎えにも行かずに」


「バーニー、稽古と迎えとどっちが大事だ。

分かりきった事を言うな」


「あら?離陸する間際まで、私にメールしてきたのは

誰だったかしら。“少し稽古抜けて来い”だの“ラストの

群舞にはお前は出ないんだから迎えに来い”だの、もう

無茶苦茶なんだから。大体、韓国と日本じゃ日帰り出来る

くらいの距離なのよ。いちいち大袈裟なの、直人は。

あ、ごめんなさい、副代表。気にしないで放っといて」


「おい、萌・・帰る早々それかよ」


「「アッハッハ!!」」

 

早速の恐妻家ぶりに、稽古場がどっと笑いに包まれた。

 

稽古開始からずっと踊りっぱなしの仁は、汗びっしょりの

首に大きなタオルを掛け、さっきから皆の歓迎を受けている

代表の背後に、そっと近寄った。

そして、大きな両手を広げて後ろからハグをすると、

不意をつかれた代表が飛び上がった。


「ひっ!」


「寂しかったわ、直人さん・・ギャッハハ!」


「うわ!バカ!汗臭い。このスーツ高かったんだぞ!

擦るな、仁!」

 

さっきまでピリピリしていた稽古場の空気が、代表の帰還

で一変した。誰もが笑顔で、誰もがリラックスしていた。

この人はこんなにも劇団員に愛されている。

 

“木島って男は、山に登る時は懸命に励ましてくれるし、

船が沈む時には、絶対一緒に沈んでくれる”

 

仁が言ったその言葉を、改めて僕は思い出していた。

 

「・・どうした?バーニー。何かあったか」


「いえ、なんでもありません。皆、嬉しそうだと思って。

さすが代表だなって」


「世辞まで憶えたのか。侮れない男だな」  


「違いますよ」


「稽古の後、仁とMIYUKIに来い。話がある」 


「・・はい」


「よし!見た所、まずまず稽古は進んでるようだな。

そうだな。15分後に通し開始だ。

俺に見せてくれ。お前たちの四神記を!」

 

 -----

 

「珍しく閑古鳥鳴いてるな。この店ももう限界か?」


「何バカ言ってんの。あんた達が来るから早終いにしたん

じゃないの。何、飲む?木島ちゃん達、今日はノンアル

コールなの。・・で、何の話なの?ヤバイ事?」


「さぁな。そうか、木島もバーニーも飲んでないのか。

じゃ俺も同じでいいや」


「仁」


「すまん、遅れた。舞に泣かれて・・木島、とにかくお疲れ。

評判よかったらしいな。コリアンって感情が豊かだから、

お前、演出しやすかったんじゃないか?お前のおかげで劇団の

知名度もまた上がり、お前のおかげで新作も演れる。

神様、仏様、木島様、だ。

お前のおかげで・・バーニーは留守の間大変だったけどな」


「仁。ふざけるなよ。代表、通し稽古いかがでしたか。

ダメ出しお願いします」


「バーニー。生真面目な奴だな、相変わらず。

お前はもっと肩の力を抜け。いつもいつもそんなテンパッ

ってたら、身がもたねえだろう?

常さん!やっぱりボトル入れといて下さい。ええ、いつもの。

それからグラスとこいつらにも何か・・俺は久しぶりに、

常さんのおにぎりが食いたいなぁ、漬物も。向こうのは

韓国海苔で巻いてあるんですよ。キムチも好きだし、

あれも旨いんだけどね」


「りょ~か~い♪」

 

貸切になった深夜のMIYUKI。

常さんの好きなビリージョエルが静かに流れている。

本番まで、後1ヶ月。

季節は秋から冬に向かっていた。

 


「とりあえず乾杯だ。バーニー、聞いたよ。

婚約したそうだな。おめでとう」


「ありがとうございます」


「嬉しいよ。お前が幸せで嬉しい。嬉しい所でこんな

話もなんだが、今夜呼んだのは・・仁。お前、知って

たか?気になったから向こうでもたまにチェックして

たんだが」


「あぁ。寺田の事だろ。木島の帰国見計らったように

始まったな。さっき事務所で聞いた」


「何の話?どういう事ですか、僕には何も!」


「バーニーすまない、すまなかった。俺のゴタゴタに

お前まで巻き込んだ。彼女の事も言ってきたんだって?

詳しい事は分らないが、大体の想像はつく。

・・寺田と俺は、大学の同期だったんだ。俺は親友だと

思ってたが、あいつは俺に対してコンプレックスを持っていた。

奨学生だったあいつには俺みたいな男は、社会の敵だったんだ

ろう。卒業後、俺と村上が“宇宙”を旗揚げした時、俺はあい

つを誘わなかったんだ。

俺達は新しいミュージカルを目指し、あいつは古典劇にこだわ

った。芝居の方向性がはっきり違ってたし、第一、江梨子が嫌

がった・・ん?あぁ、俺の前の女房だ。

実は江梨子は寺田の・・今の言葉で何て言うんだっけ?」


「元カノだよ。こんな顔してモテるんだ、こいつ。昔から」


「バカヤロウ、こんなは余計だ。

誘わなかった理由をあいつに問い詰められたよ。

“俺の何が気に入らない!”“お前は何でも持ってるのに、

江梨子まで奪うのか”って。江梨子は俺に相談に来たんだ。

寺田の暴力と束縛にもう耐えられないって。

別れたいから、力になってくれって」


「で、相談に乗ってる内に手を出した、と」


「バカ。まあ・・そんなところだ。若かったんだな。

同情からって訳じゃなかったが、あっという間に燃え上がっ

た。親の反対まで押し切って結婚したが結局ダメだった。

いつからかお互いが見えなくなって・・全部俺が悪かったんだ。

俺の事をあいつはずっと見てたんだろうな。実際、俺は人より

恵まれてたし。

仁との出逢いや、俺を信じてついて来てくれる仲間達。

色々な事があったけど、その度に絆が深まった。

俺も相当の自信家だが、運がそれを後押しもしてくれた。

あいつが俺を恨む気持ちも、分からなくはないんだ。俺だって

逆の立場ならどうなったか・・

俺の事はいい。だがあいつの標的は劇団や仁にまで。

そして今度はバーニー、お前だ。


バーニー。お前は堂々としていればいいんだ。

全ての原因は俺なんだから。俺がカタをつける。

お前は、松原だけを護っていればいい」

 

 

“オネスティー”が流れていた。


常さんはカウンターに座り静かに目を閉じ、

仁は僕を見てニヤリと笑った。


代表と飲む酒は、何故かとても優しい味で、

僕も自然に微笑んでいた。

 

「仁、代表・・僕も話があるんです」

 


 -----

 


代表の帰国翌日。


昼間の研究生の授業が終わってから、私は劇団事務所に

寄った。昨夜、私が毎日の稽古日誌を付けていると先生

から聞いたらしく、代表にそれをまとめて見せてくれと

頼まれたからだ。


完全片手打ちの簡単な作成文書。

多分誤字脱字だらけの日誌ともつかないメモ書きを、

まさか木島代表が読むなんて思いもしなかった私は、

どうしよう・・と先生に泣きついた。

先生は「大丈夫だよ。代表は女性には優しいから」と

笑っている。忙しい先生に手伝ってもらう訳にもいかず、

プリンター等触った事も無い私は、事務所のスタッフに

助けて貰ったのだ。

 

「あの~、すみません、松原ですが。

今朝、お願いしておいた・・」


「あ、出来てるわよ。そんなところに居ないで入って。

今、コーヒー淹れるから」


「いえいえいえ、そんな・・私、ただの研究生ですし」


「そうね、でも特別な研究生だわ。

ふふっ、副代表に借りが返せて嬉しいの、私。

いつも私のミスを庇って貰ってばっかりだから。それに

あんなに素敵な副代表のハートを射止めた方とお話した

かったし。ね、タメ口で話してよ。きっと気が合う人だろ

うって、ずっと思ってた。だって、いつも惚気話聞かされ

てるのよ。だからあなたの事は結構知ってるつもり。


ゴキブリは自力で退治できるのにクモが大嫌いだとか、

何故だか生花をすぐ枯らしちゃうとか、酔っ払うとすぐ

大声で歌い出すとか」


「・・先生、どこまで話してるんですか?」


「だからタメ口でいいってば。副代表からよくあなたの

話聞くから、私の中ではもう友達みたいな気持ちなの。

機械音痴なのよね。だから手伝えて嬉しかったのよ」

 

とても気さくに話しかけてきてくれた彼女は、楽しい人

だった。驚いた事に、以前は“宇宙”の研究生だったそうだ。

卒公試験で落ち、でもどうしても“宇宙”に居たくて木島代表

に頼みこみ、事務所スタッフとして残ったのだという。

 

「副代表って、普段はどうなの?あ、ミルクここね。

3年前に来たばかりの頃は、まだ日本語の発音も幼い感じでね。

日常会話は出来たけど、読み書きはまるで出来なかったの。

演出家になるのにそれじゃ駄目だって、猛勉強してね。

・・あぁ私、まだ憶えてるわ。稽古の終わった夜中の稽古場で、

副代表が幼児用のひらがなカードを、フロアいっぱいばら撒い

て単語を作ってたのよ。


“そら” “うみ” “かぞく” “きょうだい”

一通り終わると今度はカタカナ。

“コーヒー” “キャンディー” “サンドウィッチ”

一言一言、大きな声で叫びながら並べていくの。

2文字が3文字になってどんどん字数が増えて・・

そしてね。最後に並べた文字が、

“エドワード・ジン・ワイズマン”だったの」


「それ、影山さんの英語名だわ」


「そうなんですってね。私も後から聞いたの。

静かに並べ終えて、こう、腕を組んで、ずーっと眺めてたの。

ただ、ずっとね。私、あの時の副代表の顔が今でも忘れられ

ない。泣き出しそうな、それでいて嬉しそうな。

複雑で、それでいてとても素敵な笑顔だった。

・・うふふ、抱き締めたくなっちゃうのよね、あの人って」


「あの人?」


「怒った?冗談よ。私、副代表の大ファンなのよ。だから、

今まで女っ気が何も無かった副代表が、一目で恋に落ちたって

人がすごく気になってたの。履歴書見ても、そんな凄い美人

じゃないし、どんな人なのかなあって。

ふふ、でも話せて安心したわ」


「それって私、褒められたの?それとも、けなされたの?」


「褒めたのよ。あなた、人を安心させる何かがあるのね。

一緒にいるとほんわかするわ。それって、凄い能力よ。

努力で出来るもんじゃないし。これは天性のものよね」


「やっぱり褒められてない気がするんだけど」


「ふふ、操ちゃんって、面白い・・そうだ、はい、稽古日誌。

これ、よく書けてるわよ、びっくりしたわ。

私、優しいから誤字直してあげたから。今度、PCもっと教え

てあげるね」


「ホント?じゃ、ネットに行く方法も教えてくれるかしら」


「ネット?やった事ないの?」


「これだって片手で何時間も掛かって打ってるのよ。

恥ずかしい話だけど、ケトルもネットも私には同じくらい

難しいの。先生にはネット禁止されてるし」


「どうして?ははぁ~、変なサイトとかに入られたら困ると

思ってるのね。そうか、あの副代表もただの男って事か。

いいわ、教えてあげる。ネットは便利よ。買い物だって簡単

だし、図書館に行かなくても調べ物は出来るしね。

稽古日誌続けるのにも、きっと役に立つわよ」

 


その日の夜。

私はとても気分がよかった。


代表が私の稽古日誌をとても褒めてくれて、演出助手の1人と

して本公演の稽古に参加する事を正式に認めてくれたのだ。

私の身分は研究生なので、演出助手といっても名ばかり。

でも、本公演の稽古をずっと見られるのは勉強になるし、

何より先生の傍にいつも居られる。

それだけで、私の顔は自然に綻んでいた。


先生は稽古の後、演出プランの事で代表宅に相談に行っていた。

私に「先に寝てていいよ」といつもの微笑みで頷きながら。

 


「そうだ!稽古日誌続けるなら、劇団の事もっと知っておかな

きゃね。確か、このマークをクリック・・と。おお!繋がった!

それで?ここにキーワードを入れるのよね。何て入れよう。

まあここはシンプルに“劇団宇宙”っと。あ、出てきた!やった~。

わっ、いっぱいあるなあ。こんなにあるの?

これが劇団HPって奴よね・・代表この写真、素敵。

あ、ウエストサイド!影山さん、かっこいい!

便利ね、ネットって何でも載ってるんだ。


これは?・・咲乃さん事件だ。当時の新聞記事。

瞳さん、重体って・・あぁ・・

・・あれ?これ・・・これ・・・これ、何?」

 


【劇団宇宙の木島直人って男はさ・・】

【女と見れば自分のものにし、拾ってきた男は事件を起こす・・

宇宙の体質腐ってるよ】

【そうそう、知ってたか?新しい宇宙の演出家の汚れた過去】

 


クリックする指が震えていた。

 


これは・・・


これは一体・・・・・何?

 

 



コラージュ、mike86



[コメント]

1.Re:鳳仙花が咲くまでに 14話 「ファーストクリック」

2009-05-16 15:16:39.0 yukitanpoo

ebeちゃん、こんにちは^^

ネットって便利だけど、操ちゃんには見せたくなかったな・・
最近も新型インフルエンザの件で患者がでてしまった高校
とかに悪質な書き込みがあったとか・・・・
「民度が下がってるよな~」とダーも言ってました。

そうでなくても引け目を感じている操が苦しみそうで
辛いね~><

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2.Re:鳳仙花が咲くまでに 14話 「ファーストクリック」

2009-05-16 18:19:05.0 ペ・リカン

やっほ~こんばんは(^o^)/

14話UPありがとうございます!!!これからは未読の部分なので
ワクワクドキドキしながら読んでます(^.^)

全くーー!!寺田!なんて卑劣な奴なんだ<(`^´)>
自分のDVは棚に上げて!超ムカつきました!!
ebeちゃんコイツ何とかしてーー!

でもebeちゃんは”超良い人”なのにこんなにムカムカさせる”超悪い人”
を書けるなんて凄いです!尊敬しちゃいます。きっと人生の酸いも甘い
も知り尽くして今の優しさ溢れるあなたがいるのね♪これからは「オンニ
~」って言ってスリスリしようかしら?実年齢は無視して(^^ゞ

ところで常さんビリージョエルが好きだったんですね。私も大好き~!!
MIYUKIの雰囲気ビンビン感じながら読めましたよ^^
やっぱ常さん合うわ~!!彼両刀使いだからバーニーから常さんに鞍
替えしようかしら・・・?一応二股は出来ない主義なので(^_^;)

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3.pooちゃん、ありがとう!

2009-05-16 20:06:46.0 ebe

こんばんはー。

機械音痴の操にとって、1番遠い存在よねpcって^^
ネットの怖さを知らない操。
バーニーは彼女のために見るのを禁じていたのに・・
(教えさえしなければ、操には使いこなせないからね)

>最近も新型インフルエンザの件で患者がでてしまった高校
とかに悪質な書き込みがあったとか・・・・

やっぱ、そんなバカな奴がいるのね~。
ネットの匿名性が簡単にそんな書き込みをさせちゃうんだろうけど、
調べれば判る事!しっかり罰すればいいと思うよ。

>そうでなくても引け目を感じている操が苦しみそうで
辛いね~><

うん・・そこがねぇ・・^^

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4.ペ・リカンちゃ~ん!ありがとー!

2009-05-16 20:18:16.0 ebe

これからの展開は、色んな思い入れ、入ってるからね~。
自分で書いてて、泣きそうになったり・・ハハ^^

私が超いい人?うふっ!嬉しいヨン♪
でも私の中にも、こんなムカつく男を書く醜い部分はあるのよ。
自分でもムカつきながら書いたんだけどね(笑)

もう!ペ・リカンちゃんったら!私は妹でしょー^^
見た目は別として(爆)

・・常さんと、ビリージョエル。合うと思わない?
MIYUKIの店内は、常さんの趣味の曲が流れてます。

常さんは今、フリーだ!(爆)
寂しがりやだからチャンスあるぞ!^^

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