ドンヒョク祭り! 「その男、シン・ドンヒョク」
昨日のドンヒョクの20話のメール。沢山の方の心拍数を上げたみたいで・・^^
あのメールを聞いた事で、今日はこんな短編を1つ。
本編のホテリアーに沿って、描いてみました。考えたらホテリアーを書くのは
初めての私。BGMと共に、本編を思い出してくださいな。
朝靄の中を1人、男が走っている。
風を切るように走るその姿は、ジョギングの域を雄に超え、
まるで何かと闘っているようだ。
その男が住み着いた場所は、ソウルでも有数の特急ホテル。
長い坂の上のその部屋は、今朝も男を温かく迎えた。
21年。
忌み嫌っていたその故郷に戻ってくるまでのその期間は、
男にとって今や過去でしかない。
差別、憎しみ、望郷、虚栄心。
異国での男の心は、孤独だった。
たった一人の女が男の人生を変えた。
戦場で出逢った故郷の言葉、
ほんの少しのセクシャルな感情。
その女の微笑みが、男を機上の人にした。
故郷での再会に、何故こんなに心がときめくのか。
他愛のない約束。
待ちぼうけの深夜バー。
男の部屋の前にその女が立っていた。
女に握手を求めた時、それが恋だと男は知った。
男には消したい過去があった。
捨てられた子供。
生き別れの父。
その消息が分った時、男の足はその町に向かった。
おぼろげな記憶の隅のその人は、
自分を異国に売ったという。
そのやつれた姿に、男は後を振り返らなかった。
止め処なく流れる涙は、何の涙なのか。
父の写真を破った男は、女に初めてのメールをした。
男が酔った姿を、女は初めて見た。
海に行ったと言う男は、少し寂しそうだった。
煌々と光る建物の中。
ぎこちない2人のダンス。
強引なその腕に女は戸惑い、そして男の想いを受け入れた。
女の何度目かの誕生日。
抱えきれない贈り物を断る女に、たった一つ渡せたネックレス。
綺麗・・と呟く女を、
綺麗だ・・と男は思った。
女の部屋へ着いた時、
急に口数が少なくなった女に向けた、熱い眼差し。
その細い手首を掴んだ時、
初めて男は、自分を抑えた。
その時は突然訪れた。
早朝、女は男からのネックレスを突き返す。
男の弁解を聞こうとせず、女は別れを告げた。
男は、生まれて初めて自分の仕事を悔やんだ。
女は、男の電話に出なかった。
メールも無視し、悲しみに暮れた。
女友達と飲み明かした朝。
大幅に遅刻した女を男はずっと待っていた。
通り過ぎる女を通路に閉じ込め、自分の想いをぶつける男。
強引なその姿に抵抗していた女は、
その心の叫びに、唇を許した。
衆人環視の中、情熱的に交わされる口づけ。
女は、自分が男を愛している事を思い知った。
男は最後の賭けに出た。
女か、ホテルか。
だが・・女は来なかった。
神に祈りを捧げる男。
闘いがまた始まった。
男と女は別の方向を見ていると思われた。
女はホテルを守るために。
男はホテルを得るために。
だが、2人の心は離れられずにいた。
運命の半身。
それが2人だったのだ。
男の妹がホテルの従業員と分った時、
迷っていた男は、ついに動き出す。
男の命懸けの闘いの末、女の宝は守られた。
そして、女は男の求婚に「イエス」と答えた。
国外追放になるのは承知の上だった。
女と一緒なら、戻る国も以前とは違う景色だと思ったから。
だが、女は一緒には行かなかった。
自分を頼る人と、ホテルを裏切る事が出来なかったから。
坂の上でずっと待っていた男のスーツが、風にはためいた。
そのVIPが到着したと聞いた時、
女は気乗りがしなかった。
いつも雑用をこなすのは自分だったし、そんな女の苦労は
なかなか報われなかったから。
だが・・・
そこにいたのはただのVIPではなかった。
ロビーを一歩ずつ、自分に向かって進むその足取り。
少し癖のあるその立ち姿。
それは夢にまでみた、あの男。
「御滞在はいつまで?」
「永遠に・・・永遠にあなたの傍に・・」
走る男は、最後の坂を上りきった。
クールダウンする男を、夜勤明けの女が待っていた。
「おはよう。ドンヒョクさん・・」
「おはようジニョン。もう、仕事は終わった?」
そのドアの先は、2人だけの世界。
男は片手で、未来への扉を開けた。
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