旅人が与えてくれた贈り物
韓国をたどる旅出版記念イベント。
笑いました。
感動しました。
そして・・・泣きました・・・
今日ほど私は、彼を・・ペ・ヨンジュンという人を好きになった
事を誇りに思った事はありません。
今、その感動を言葉にしようとするんですが、何から書いていいのかも
分らなくなってきています。
前日のアニメ冬ソナイベントも素敵だったけれど、
今回のイベントは、彼と家族を結ぶ“絆”を、本当に感じさせてくれる
ものでした。
彼がこの本を執筆するに当たって、弟子入り(まさに)入りした、
岩山漆芸美術館の、全龍福先生。(ゲスト出演されました)
心から彼を信頼し、人間として尊敬しているのが
とてもよく伝わってきました。
「お弟子さんとしてのヨンジュンさんに、
何か一言注文をつけるとしたら・・」
そんな問いに、「そんなに完璧を求めるな」と。
もう少し力を抜く事を、覚えた方がいいと・・
こんな事を師匠に言わせる弟子って、普通いませんよね。
何十年もその道に居る人に「もっと楽にしろ」と言われるなんて。
それだけ彼の真剣さは、常人の域を超えていたんですね。
そして韓服デザイナーの、イ・ヒョジェ先生は、
「ぺ・ヨンジュンの家族であるあなた達は、人を見る目がある」とも。
各界の匠に言わせるこの言葉だけで、私達の胸は熱く震えます。
昨日より、顔色がよかったようなヨンジュン。
そんな先生方の言葉を聞いて、はにかみ、照れて微笑む彼。
少しもおごらず、真摯な態度。
退場する先生方をステージから送る姿が優しくて・・
でも、今回私達が一番ぐっ!ときた瞬間は。
彼が自分の手で、その場で私達に当てて書いた手紙。
しかも書かれる文字は日本語!!
「長い旅を終えて、戻って参りました・・」
一字一字綴られるその文字を見ていた私。
もう涙が止まらなくなっていました。
ヨンジュン。何て人なの、あなたは・・・
私達を想い、私達のために作ってくれた、大切な作品のその本を、
私もしっかり受け止めて、読んでいきたいと思っています。
そして、本の中で彼と一緒に旅をして、
彼が私達に向けたその想いに、触れたいと思っています。
最後、韓国の輿に乗っての場内一周。
ヨンジュンの目に涙が光っていましたね・・
「私達の事はいいから、あなたはあなたの道を進みなさい」
そんな言葉が頭に浮かんで来ました。
・・昨日のアリーナAより至近距離だった、アリーナD席。
花道を歩く彼がすぐそこに・・
私、幸せでした!
同じ時代に彼と共に生きられる幸せ。
ヨンジュン、ありがとう。
本当にありがとう・・・
大切な大切なあなたの贈り物。
私達・・ちゃんと受け取りましたよ!
イベント、素敵でした・・
行ってきました~!
ああ・・まだ、ドームの興奮が残っています。
これは、終演後のドーム全景!会場内は撮影できないですからね・・
ピントボケてるけど^^
7年ぶりの2ショット。チュンサンとユジン。
オープニングのアニメの後、舞台に表れたジウさんが待つ場所に、
花道から登場したヨンジュンが表れて・・
大晦日に待ち合わせした、あのツリーの下ですね♪
今度こそ再会を果たす2人という演出です!
2人の抱擁のシーンでは、会場4万5千のほぼ全員から「キャ~!」
という悲鳴が・・(笑)
今年の運をここで使い果たしたアリーナAの私の席からは、
どうにか肉眼で生ヨンジュンが見られました~。
(バッチリ!って感じでは無かったけれどね^^)
前の人の頭で、時々視界から消える事も多かったけど、
双眼鏡で覗くと、(あくまでも双眼鏡で)彼がすぐ目の前!
・・・・あわわわ。
舞台が、ほぼ中央に設定されていたので、この前の京セラよりは
見やすかったんではないでしょうかね。
インタビューの間もステージは廻り舞台になっていて、ゆっくり
全方向に回転していましたし。
オーロラビジョンも4面全部に設置されていましたね。
スタンドにいた方の見え方はどうだったのかしら・・
アニメの先行上映あり、主題歌の演奏あり、歌唱あり。
今回のサプライズは、気球に乗っての場内周遊でした!
スタンド席を中心にゆっくりと進んで行きます~。
そういえば前回、3階席の家族と目が合わなかったって
言ってましたもんね。絶対今回はそういう演出をしてくれる
と思っていましたよ~。
よかったね~。みんな~!!
3階席の人まで今回は結構な至近距離♪
そういう意味では皆さん納得の気球遊泳だったんじゃないかしら。
・・余談ですが^^
私はあの気球。絶対乗れないなあ・・
あれ、怖いですよ~。ゆっくりとはいえ結構な高さ!
しかも2周もしたんですもん。ヨンジュンもジウちゃんも、
よく笑顔で乗れるなとそんな所に感心しておりました。
(三半規管の弱い私。きっと吐くよ・・・トホホ)
観察してたら、あの気球。下で数人の男性がワイヤー持って
誘導してたんですね~。ビックリしました!
まさに人海戦術・・っていうか手動??
でも考えたらその方が安全なのかも。人間の手の方が、咄嗟の
アクシデントに対応できるのかもしれませんしね。
あっという間の2時間半。
最後にまた2人で登場してくれた時には、
私もずっと手を振っていました。
少し心配だったのは・・
ヨンジュン、やっぱり本調子ではなかったですよね。
明るくジョークを言ったり、子役の子に「アジョシ」と言われて
クレーム?(笑)つけたりしてましたけど。
彼が感動していたのも伝わってきましたよ。
私達にとってヨンジュンが元気の素であるように、彼にとって私達が
彼の元気玉になっていたら嬉しいですね。
明日(もう今日だ!)も、イベントが待っています。
ヨンジュン!今夜はゆっくり休んでね!(それしか言えない・・)
開演前。
○ざましTVの取材が、私たちの目の前に・・・^^
ブログ「君恋」の明音ちゃんと私は、カメラのフレームを
器用に避けながら、その場でお友達を待っていたのでした!
・・もしかしたら背中は映っちゃったかもね(笑)
明日は、終演後にオフ会が・・・
朝もお茶会、ランチ会もあるので、ハードスケジュールです^^
お返事は、夜中?
もしくは明後日になっちゃうかも。
今から謝っておこう・・・・ゴメン~!!
ドームで逢いましょう!
ああ~~、遂に今日です!!
お泊り組の方も、通勤(爆)組の方も、
準備は完璧?ですか?
今夜はドキドキ、眠れないかも・・・
今頃、彼はどうしているんでしょうね。
打ち合わせも終わって、
もう眠りについているんでしょうか。(しばし妄想・・)
29日の東京方面は、あまり天気が良くなさそうですね。
さすがの晴れ男も、秋雨前線には敵わないかもしれません^^
でも、きっとドームは私達の熱気で、暑くなっているでしょうね。
夕方の東京ドーム。
全国から、続々と集る家族達。
きっと素敵な日になりますよ~~♪
私も今夜は、少し早寝しますね。
皆さん、いい夢を・・・・
・・アリーナAの皆さん。私、29日は御一緒です^^
どうぞよろしく~(笑)
同じ空の下に彼が・・
彼、来日しましたね~。
ああ・・この同じ空の下に彼がいる・・
そう考えるだけで幸せな気分になれます。
実は、土曜日の仕事帰り。少し体調が悪かったんです。
私がたまになる「ああ・・まずいぞ」っていう休めサイン。
連休の忙しさと、もろもろの緊張^^・・
疲れですね。
こういうサインは自分ですぐ分かるので、家に帰って即効寝ました。
早期発見、早期治療?
簡単な体なんです、私(笑)たった2時間爆睡したら完治してました!
ああ・・よかった。
こんな時に寝込んだりしたら、泣くに泣けない・・
さてさて。
ついに彼が来日です~!!
金浦空港の写真も、成田の写真も、あちこちで見てきたんですが、
まだ動画で見てないんですよ~。
どこかのニュースでやらないか、夕方チェックしてたんですけどね~。
どなたか見ましたか~??
やっぱ、朝まで待つしかないのか・・
歩く姿を見たかったんですけどね。
髪、結構切りましたね。
写真で見る限りでは、茶髪ともいえないくらいのダークブラウン。
とても似合ってました。
そして、明日・・・
もう明日ですよ。
明日、彼に逢える・・・・
何だか今日は一日落ち着きませんでした。
刻々とあがってくる彼の動向。
金浦での彼は、数日前の記者会見のときよりずっと元気そうに
見えましたよね。そんな姿にホッとしながらも、何故か彼の来日が
現実的に思えなくて・・
名刺を刷ったり、チケットをチェックしたり。
準備をしていても、心はどこか上の空だったんです。
それが、成田の写真を見て一変^^
家族に手を振るその笑顔に、「ああ・・来たんだ・・」って。
そう思ったら、急に元気になって、
「買い物行ってくる!夕方のニュース見るからね!」と、言い残し、
スーパーへすっ飛んでいった私でございました(笑)
昨日UPした、KA・ZO・KUシリーズ最新作 「旅立ち」。
ジュンの息子レウォンは、俳優である父の裏方(スタッフ)になる
という選択をしました~!新人スタッフのレウォン。
もちろん日本でのイベントに同行してるんでしょうね~(爆!)
どんな来日風景だったのか・・
そんなお話も、その内書きたいと思っています~。
KA・ZO・KU 「旅立ち」 後編
後編です!
これがレウォンの選択でした・・って事は、ドームには?(笑)
僕はどれくらいの時間、その本を読み続けていたんだろう。
気がついたら、外はもう夕暮れ。
窓一面にオレンジの光が差し込んでいる。
ドアの前にミナが立っていた。
泣きそうに、少し唇を噛んで。
ミナの短い髪は、ほんの少し右側がはねていた。
その右手には、僕が好きな銘柄のコーラのペットボトル。
おずおずとした立ち姿は、いつもより少し小さく見えた。
「・・おじ様がね。男が何時間も1人でいるとろくな事が
ないから、傍にいてやってくれって」
「アハ。そう」
「ねぇ。今、私が居たら嫌?
コーラ買ってきたけど、まだ飲めない?
・・ゴメン。何だかバカみたいね、私」
「ここに来て」
「え?」
「おいでよ。それに、そんな下向いてたら顔がよく見えない」
小さな歩幅で、ゆっくり歩いてくるミナ。
やっと僕の傍に来ると、遠慮がちに椅子に座った。
「よかった。色々考えすぎて、たった今、ミナの顔が
見たくなったところ。ゴメンな。心配したろ?」
「死んじゃうかと思った・・」
「この程度の怪我じゃ死なないよ。ただの骨折だぞ。馬鹿だな」
「私のせいよね、レウォン君が怪我したのは。
レウォン君に猫がいるのを教えたの、私だもの」
「ストップ!それは言うな」
『じゃあね。ん、もう!大丈夫だから。
1人で来たのよ、ちゃんと帰れます。
・・あ。ねぇ、レウォン君、見て!あんな所に子猫がいる。
危ないわ』
『どこに?猫なんかいないよ』
『いるの!そこ、ほら、後ろのタイヤの傍・・』
『タイヤ?あ!あれ?ああ、いたいた、このチビ助?』
『いたでしょ?・・ねえ・・大丈夫?』
『ホラ!これだろ?』
『キャッ!もう!
よかった。レウォン君に抱かれてればもう平気ね』
『僕はこいつよりミナの方を抱きたいけどな』
『え・・やだ、レウォン君・・』
『ああ、ミナ』
『ん?』
『今度はGパンで来いよ。髪もクシャクシャでいい』
『え?何?』
そうだ、あの時。
バスが、急に大きな音でクラクションを鳴らしたんだ。
それに驚いて猫が僕の手から飛び出した。
反対車線に飛び出した猫を拾って振り向いたら、
トラックが・・・目の前に。
「それに除隊だなんて・・
無事に兵役を全うするんだって、
早く大学に戻りたい、ってあの時」
「そう、あの時はね。いや、ついさっきまでさ。
この本読むまで、実はそう思ってた」
「本?」
「看護師さんにさ。ベッドの下に落ちてる本、取ってくれって
頼んだら、その人、僕そっちのけで読み始めちゃって。
父さんのかぞくなんだってさ。
まだ発売になってないのに!!って、すげー興奮してた」
「だって、おじ様よ?当然じゃない」
「そうだね。父さんは、そういう人なんだよな。
男が1人でいるとろくな事がない、か。アハ、確かにね。
そうかも。でもいい事もあったよ。
こんな短い間に、僕は人生の選択をしたからね」
「レウォン君?」
「悪い。ベッド、もう少し起こしてくれる?」
ベット脇のリモコンをミナが押すと、少し視界が変わった。
新たに見えた光景に、僕の考えは間違ってない・・
そんな気分になった。
僕の顔を潤んだ瞳で見つめるミナ。
その柔らかな髪に手を伸ばし、僕は指先で軽くそれに触れた。
ミナの瞼から、綺麗な雫がポロッと零れた。
「除隊になって、正直ショックだったよ。
今までの自分が何だったのか、考えてもみた。
でね、思ったんだ。もう無理な背伸びは止めようって。
今の僕がしたい事。本当に僕がやりたい事。
答えを探してた僕に、この本がその道を教えてくれた」
「この本が?」
「きっと、初めから答えは出ていたんだ。
これは、ただのきっかけ」
僕はミナにそう言うと、
彼女の髪にそっとキスをした。
僕のリハビリが始まったのは、
それから2週間ほど経った日の朝だった。
元々体力があったのと、精密検査の結果が良かったおかげで、
予定よりずっと早くベッドから起き上がる事が出来たんだ。
父さんは僕に約束した通り、来日までのほとんどのスケジュールを
キャンセルして、僕のリハビリに付き合ってくれた。
いや・・
それは違うな。
付き合っているのは、むしろ怪我人の僕の方だ。
父さんは僕とは別に、1人黙々とメニューをこなしていた。
ゆっくりと松葉杖で歩く練習をする僕の傍で、
父さんはランニングマシーンで汗を流す。
ヘッドフォンで音楽を聴きながら、額に汗を光らせる姿は、
まるで寡黙なアスリート。
そういえば、僕がまだ高校に入る前だったか、
父さんが写真集のために3ヶ月も家を空けた事があった。
「最善を尽くした姿をかぞくの人に見てもらうんだ」
そう言って旅立った父さんが、帰って来た時には別人の様な
体になっていて、僕も母さんもすごく驚いたんだ。
そのトレーニングは過酷を極め、遊ぶ事も本を読む事さえ
出来なかったらしい。帰って来た父さんは、玄関のドアを開ける
なり「逢いたかった・・」と僕の目の前で母さんに、
それはそれは濃厚なキスをした。慣れているとはいえ、
思春期の妄想逞しい中坊だった僕にとって、
それは、眠れなくなるほど忘れられない強烈な思い出。
「レウォン。どうだ?痛くないか?」
その時の事を思い出して少し顔が緩んでいた僕に、
父さんが声を掛ける。
もうだいぶ走っているのに、父さんは息1つ乱れていない。
「うん、歩けそう。まだこれが無いとダメだけどね」
松葉杖を顎でしゃくって、僕は父さんにウインクをした。
父さんはにっこり笑うと、また前を向いて黙々と走り出した。
そうだ。
そう、この背中。
この張り詰めた背中を、僕は幼い時からずっと見てきた。
この人を超えたいと、ずっと思ってきた。
そしてこの人の存在が、正直少し重荷だった。
でも、違った。
この人を超える事なんか出来ない。
いや、そもそも超える必要なんかない。
16才年上の、僕の父。
この人は、僕の光なんだ。
神様が、父のいない僕にプレゼントしてくれた、
大切な光。
この光をもっと輝かせたい。
俳優としてのこの人を、影から支えて行きたい。
僕が、じゃないんだ。
この光をもっと多くの人に届ける仕事、
僕はそれがしたかったんだ。
僕の怪我はチュンサンも驚く程の早い回復で、
それから更に2週間後には、無事に退院する事が出来た。
「驚くべき回復力ですね。
本当は全治6ヶ月の怪我なんですよ?」
「ドラマみたいですよね」
そう言って苦笑する僕に、医者は大きな声で笑った。
退院の時、タクシーの運転手に僕は、
自宅では無い行き先を告げた。
着慣れないスーツを着た僕を乗せ、車はそこへ向かう。
ソウルの中心街にあるそのビルは、
もう何度も行った事がある場所。
・・何て言うだろう。
反対されるだろうか。
温厚なあの人が、怒るだろうか。
ビルの入り口には、また数人のアジュンマの影。
僕はその横を、少し足を引き摺りながら通り過ぎた。
「どうぞ」
「失礼します」
「こんな時期に新入社員なんて。
一体どういうつも・・レウォン?」
「ヒョン、紹介するよ。
彼がさっき話した中途採用の、ペ・レウォン君だ。
大学はヒョンの後輩。成績優秀、兵役も終えている。
小さい時からこの業界を見てきたから、そこいらの新卒
よりも使えるぞ。まず手始めに来日の・・」
「何の茶番だ」
「言っただろう?今度の来日は一大イベントだ。
アニメのプロモーション、本の紹介、開局したTV局。
インフルエンザ対策だって充分にやらなきゃならない。
彼は日本語が話せる。猫の手だって借りたい今、即戦力だ」
「それで、何故こうなる」
「俺はヒョンの息子だから採用したんじゃない。
彼が真剣で、使えると思ったからだ。先日病室で面接をした。
将来はヨンジュンのプロデュースをしたいそうだ」
「俺は聞いてない」
「・・・」
「いいよ。分った。ちゃんと話したほうがいい」
社長はそう言って、部屋を出て行った。
急に静まりかえる部屋。残された父さんと僕。
父さんは、僕の目をじっと見つめていた。
「どういうことだ」
「大学は?どうするんだ」
「辞めようと思ってる」
「どうして?」
「本当にやりたい事が見つかったから」
「レウォン!!」
「今までの僕は、父さんをずっと意識してたよ。
アジアを代表する俳優。微笑みの貴公子、演技大賞、文化勲章。
父さんの偉大さが、僕には負担だった。
父さんが卒業出来なかった大学、行けなかった兵役。
僕がそれをやり遂げる事で、少し父さんを超えられる・・
そう思ってた。
でもね、除隊になって、その考えが変わったんだ。
前に父さんが僕の事を“お前は俺の風だ”って言ってくれた事が
あったよね。
父さんが僕を必要としている。僕はそれが嬉しかった。
こんな僕が父さんの支えになってる。それが信じられなかった。
事故に遭って、除隊になって、入院中いろいろ考えた。
そして、一冊の本を読んだんだ。
あれは父さんが僕に置いていったんだよね。
この1年。父さんが精魂込めたあの本を・・
僕、分ったんだよ。そしてあの本を読んで確信した。
父さんは、僕の光なんだって。
アジア中の人達に、ううん、いつか世界中の
人達に、この光を届ける仕事がしたいって。
いい加減な気持ちじゃないんだ。
昔から、スタッフさんの仕事が好きだった。
映画を撮るにしても、父さん以外の俳優と仕事するなんて事、
考えられない。
格好つけてたんだよね、僕は。
一番身近にこんな凄い人がいるのに、
僕は外から、無理矢理追い越そうとしてたんだから」
長い足を投げ出すように椅子に座っていた父さんは、
ふぅと長い溜息を吐くと、ジャケットのポケットから煙草を
取り出した。そして、ずっと直立不動で立っていた僕の方へ、
ポンとそれを放り投げた。
「吸えるんだろ。知ってるぞ。
突然強制的に親の役目を終えさせられたんだ。1本付き合え」
僕はその中から1本抜き取ると、
ポケットから自分のライターを出して火を点けた。
父さんは何も話さない。
ただ黙って一点を見つめ、紫煙を燻らせる。
やがて、未だ直立不動で立っていた僕の方を向くと、
大きく息を吐き、根元まで小さくなったそれを
強く灰皿に押し付けた。
「・・気持ちは変わらないのか」
「ずっと父さんを見てきた僕だよ。きっとこれが正解だ」
「誰に似たんだろうな。言い出したら聞かないその性格は」
「父さん、だろう?」
「そうだよな、やっぱ俺か・・お前も馬鹿だな」
「親譲り。何年一緒にいると思ってんだよ」
「分かった。好きにしろ。ただ、1つだけ条件がある。レウォン。
親として、これだけは譲れない。
・・大学だけは出ろ。それだけは約束してくれ」
「どうして」
「笑の夢なんだ。お前が小さい時からの、笑の夢。
あいつも中退してるだろ?お前だけは女手1つでも大学へ、って。
出会った頃、俺によくそう言ってたんだ。親の夢を潰すなよ」
「ん」
「それから・・仕事中、俺はお前の親じゃない。分かってるな」
「はい」
「そうだ。これからは“ヒョン”って呼べばいい。
スタッフは皆そう呼んでる」
「おい。ノックくらいしろよ」
いきなり戻ってきた社長は、デスクから必要書類を取り出すと、
僕と父さんにその書類をポンと手渡した。
「契約書。サインして。
レウォンはここ。ヒョンは、この身元保証人欄ね」
「俺が?」
「それが最後の親としての仕事でしょう?
レウォン。日本行き、大丈夫だよな。
君は通訳も兼ねてるから、今日これからのミーティングにも
参加してくれ」
「あ、はい」
「今回の行動は常にヒョンと一緒。
日本かぞくとのコミュニケーションも頼むよ。
まったく・・退院が遅すぎるよ。
あと3日しかないんだぞ、忙しいったら。
じゃ、新人君。ヒョンに挨拶して」
「・・え?」
「改めて紹介します。この事務所のトップ俳優、ヨンジュンssi。
ヒョン。レウォンだ、よろしく」
その立ち姿は、痺れるくらいかっこよかった。
ポケットに片手を引っ掛け、少し大股に足を開いて。
片方の唇を少し上げて小さく何回か頷いたその人は、
僕にその大きな右手を差し出した。
「じゃ、よろしく。僕の事は“ヒョン”でいいからね」
僕は、1回深呼吸した。
そして、肘に手を添えながらその大きな手を受け止めた。
「今日からお世話になります。よろしくお願いします!
・・・ヒョン」
『ぼく、シン・レウォンだよ。ヨロシクね~』
5歳のあの日から、ずっと憧れていた人。
僕は、今日からその人と共に歩き始める。
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