2008/12/28 00:59
テーマ:大切な場所 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

いつもありがとうございます。

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世間では仕事収めか。1年間ご苦労様だな。僕ももうすぐバカンスに入りたい所なん

だが、ジニョンがね・・
君と一緒で彼女はサービス業なんだ。ただでさえ忙しいの

に、このウォン安だ。まるで休めないらしい。


仕方ない。君の部屋で少し時間を潰そう・・え?お客様にご挨拶?僕もか?


・・どうも、いつもありがとうございます。来年、また僕も遊びに来ていいですか。

 



9月から始めたこのブログ。

早いものでそろそろ4ヶ月経つんですね。


最初はほんの勢いだったんです。

本当になんとなく、創作と違う日常の文が書きたくなって・・


まさか、こんなに多くの皆さんが読んでくださるブログになる

なんて想像さえしませんでした。


私、こんなに毎日好き勝手に書いてますが・・・

これでいいんですかね(笑)

 


彼の事と、マニアックな自分の趣味。

我が家の家族の事や、私の拙い創作。

 

実は、ブロコリが大変な時期、自分が「ブログ主」って立場だと

いう事実に素直に驚いちゃった事があったんです。

(すみません・・無自覚な奴で)

 

「えべべや」って冠掲げて、お部屋作らせていただいてるのに、

ここが自分だけの部屋って自覚も無かったんですね。


確かに、記事書いてるのは私ですし、

皆さんのコメントにお返事してるのも私なんですけど。

 

私のバカ話を、どこかで皆さんが笑って読んでくれている。

その気持ちが、伝わってくるからでしょうね。

本当に自分ひとりでやってる気がしないんです。


4ヶ月経った今でも、その想いは変わっていません。

 

創作にしても、本当にいつも暖かい言葉を頂いて・・

サークルでもレスを頂くととても嬉しいものですが、

ここで新しい読者の方とも出逢えて、新鮮な言葉で励まして頂いたり。

改めて、頑張って書いて行こう!と思えた日々でした。

 

おかげで、先日UPした「愛してる」が書け、実はここで頂いたコメントが

ヒントになって、「愛してる」のその後の話を今、書いています。


これは、元話とは正反対のニヤッと笑える話です。

お正月過ぎには、書きあがるでしょうか。

お年玉代わりに、読んでくださいね♪

 

慌しい年末。

そろそろ帰省なさる方もいらっしゃると思うので、

今年の感謝を今年の内に・・^^

 

「えべべや」をいつもお読みくださいましてありがとうございました。


来年も、きっとこんな調子で書いていくんだろうと思っています。

これからもお付き合いくださると嬉しいです。

気楽に遊びに来てくださいね~~。


部屋の入り口はいつも全開でお待ちしています!


皆様、よいお年を・・・・

 

 

・・はい?明日もまだ開店してますよ~。

今日は、一応、御用納めって事で(笑)


2008/12/27 00:42
テーマ:「KA・ZO・KU 」シリーズ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

KA・ZO・KU ― レウォン9歳 ―

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・・少しづつUPしようと思ってたんですが・・^^今日は職場のカラオケ忘年会だったん

です。しかも帰ってから色々忙しくなってしまい(いい訳か!)ブログ本文が書けなく

なってしまったので、レウォンに助けて貰いました(笑)今回は9歳のレウォンの作文

です。こんな文、本当に学校に提出したら・・・・

 

 



「ぼくの家族」   3年4組   シン・レウォン

 

ぼくの家は、二人家族です。


ぼくと、ぼくの母さんです。


でも、ときどき、大好きなヒョンがとまりに来てくれます。


だから、ヒョンもぼくの家族です。


ヒョンは、背が高くて、足が、すごく長くて、とてもかっこいいです。


ぼくとヒョンは、いつもいろんなことをして遊びます。


ヒョンは、テコンドーと剣道がとくいで、ぼくにも、教えてくれます。


この間、二人でリビングで、まわしげりの練習をしていて、たなの上の


“プラモデル”を(ヒョンといっしょに作った)全部なぎ倒してしまって、


母さんにしかられました。


母さんはおこると、すごくこわいです。


ぼくにも、ヒョンにもおこります。

 

母さんは料理がじょうずで、いつもおいしいごはんを作ってくれます。


ぼくと、ヒョンはいつもおかわりをします。


おかずはよく、うばいあいになります。

 

ヒョンは大人のくせに、ぼくにゆずってくれません。


「男は勝負だ!くやしかったら、うばいとれ!」といいます。


この間、ほんとに、くやしかったから、ヒョンが母さんと話してる間に


うばいとりました。気持ちよかったです。

 

ときどき、ヒョンはチヂミを作ってくれます。ヒョンはテレビに出る


お仕事なのに、チヂミ屋さんも、やっていたそうです。


ヒョンのチヂミはとてもおいしいです。

 


今、ヒョンはドラマのさつえいをしています。


先週、さつえいで、ヒョンは、けがをしました。


バイクで、トラックを追い越すときに、倒れてしまったんだそうです。


母さんは、まっ青な顔で、うでに、ほうたいをしてきたヒョンを


心配していました。

 

ぼくの父さんは、交通事故で死んだので、

母さんは交通事故が大きらいです。


お仕事だから、しかたないけど、ぼくも心配しました。


ヒョンは「だいじょうぶだよ」と、ぼくの頭をなでてくれました。


こんどのヒョンの役は、高校生の役で、バイクも乗るし、かっこいいので


好きです。


ヒョンは、もうすぐ、25さいになるのに、高校生に見えるので、


おもしろいです。

 

でも、家にいるヒョンはいつもといっしょです。


朝は、ひげがはえてるし、たばこもすいます。


はいゆうって、すごいとおもいます。

 

母さんは、映画を作る会社につとめています。


こうほう部という、映画のせんでんをする部です。


母さんは、いつか、ヒョンが主演する映画を作るのが夢なんだそうです。


ぼくも、大きな映画館で、ヒョンの映画が見たいです。


そして大きくなったら、ぼくも、映画のお仕事がしたいです。

 

「ぼくがヒョンの映画をかんとくする!」といったら、


ヒョンはうれしそうでした。ほんとに、そうなればいいとおもいます。


だって、ヒョンは韓国で、一番かっこいい、はいゆうだと思うからです。

 

ぼくは、ヒョンが大好きです。


母さんもヒョンが大好きです。

 

ヒョンはとまりにくると、布団の中で、おもしろい話をしてくれます。


でも、ねる時は、ぼくといっしょだったのに、


朝おきると、母さんといっしょだったりします。

 

二人はとてもなかよしです。


けんかもたまにします。

 

母さんは気が強いので、すぐおこります。


でも、すぐ泣いたりもします。


ヒョンはいつもやさしいです。


母さんが泣くと、いつも背中をトントンしてあげます。

 

それで、なかなおりします。


二人はとてもなかよしです。

 

この間も、二人で、デートして、おそくに帰ってきました。


その日は、母さんを送って、ヒョンは帰ってしまいました。


どうして、とまっていかなかったのかな?


母さんとヒョンは、こい・・・・・・・

 

 

 

 


そうだ、あの時・・・


ここまで書いた所で、母さんに見つかったんだ。


頭をげんこで、殴られて、(スゲー痛かった!!)


「学校に出す宿題だ!」と言っても、取り上げられた。(当たり前か)


そして、母さんのいい所だけ書いた作文を書かせられた。


母さんの言う通りに。

 


ハハ・・今、読み返してみると、やっぱりこれは学校には出せないや。

 


でも、もし提出していたら・・・・

 

今の僕達、なにか変わってたかな。

 

 

いいや、きっと何も変わらない。

 


あれから、8年。

 

 

今も2人はとても仲良しです。

 

 


そう・・・きっと、あの時よりも。


2008/12/26 00:14
テーマ:「KA・ZO・KU 」シリーズ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

KA・ZO・KU

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私のデビュー作。2年3ヶ月前の作品です。サークルでは前後編に分けましたが、

本来はこれがオリジナルです。原文のままUPしようと思っていたのに、変な改行、

変な文法^^にやっぱりほんの少し手を入れました(笑)

書いた時にはこの作品だけで終わるつもりだったのに・・今に至っています。

 



何から話せばいいんだろう・・・・

 

僕とヒョンとの事、母さんとの関係・・・


ヒョンは、ごく当たり前にいつも僕の傍にいたし、

それを不思議に思った事もなかった。

 


あれは、僕が5歳の頃。

ヒョンがこんなにアジア中の注目を集める人物になるなんて、

思ってもいない頃。


母さんと、ヒョンは出逢ったんだ・・・

 

 

「こら!!レウォン!いつまで寝てるの!起きなさい!

早く朝ご飯食べて!遅刻しちゃうよ!」

 

毎朝の母さんのカミナリ。

よくも毎日飽きずに同じセリフを言えるよな。


自分が寝坊したからって、いつも僕のせいにする。

しかも、どんなに寝坊しても朝食は欠かさない。


「朝食は、一日の力!」これが、母さんの持論。


・・・いいかげん、耳たこだよ!

 

僕は、「シン・レウォン」この時5歳。

 

ごく普通の保育園児。

母さんは「高山 笑」26歳。

現代映画社で広報の仕事をしてる。そう・・・日本人だ。

 

母さんは20歳の時、父さんと結婚して、ここソウルにやって

きた。


父さんとは日本の大学で知り合って、大恋愛の末、駆け落ちし

てきたんだ。

日本には、僕のお爺ちゃんやお婆ちゃん、母さんより3つ下の

叔父さんがいるらしいけど、僕は会ったことがない。

それに・・・父さんにも・・・


父さんは僕が生まれる前、母さんが妊娠7ヶ月の時、交通事故で死んだ。

道路に飛び出した子供を助けて轢かれたんだ。


だから母さんは、外を歩く時は、絶対僕の手を離さない。

じーっと前を見て、何にも話さない。普段はあんなにお喋りで、

大口開けて笑ったり、TVのドラマ見てぽろぽろ涙流してるのに。


片親で、しかも、日本人とのハーフ。

目つけられる条件揃ってるよな。


保育園に入ってやっぱ、きたきた。

どっから聞いてきたんだか、うるさそうなおばさんが。

母さんに何の文句があるんだか、アパートの玄関口で、

やいのやいの。


「え~い!うるさい!僕の母さんをいじめるなー!」

僕が飛び掛ってったら、なぜか、母さんの平手打ち。


“ばっち~ん!!”


「アンタは黙ってなさい!」


その圧倒的な迫力に、おばさんたちも

「あら、まあ、ほほほ・・」と、すごすご帰ってった。

 

高山 笑。恐るべし・・・

 

母さんは僕のジンジン痛むほっぺたを冷やしながら、


「レウォン、強くなりなさい。父さんがいない事も、母さんが

日本人なのも、アンタには何の罪もない。だから、正々堂々と

生きなさい。そして、悔しかったら強くなりなさい。

あんたは男の子なんだから・・」


僕は、母さんが大好きだった。


そんな時、僕らの前にヒョンが現れたんだ。

 


  
ジュンに初めて逢ったのは、映画のロケ現場だった。

冬のとても寒い日で、スタッフ、キャスト、皆震えていた。

 

「おい!そこの若いの!コーヒー買って来い!」

「ハイ!」


助監督の声に走り出した一人の青年。


「あんな子、ウチにいたかしら?」


「ああ・・笑ssi、逢った事なかったっけ?ヨンジュンだよ。

2ヶ月くらい前バイトで入ったんだ。体力あるよ!ガタイもいいし、

顔もいい」


「へ~・・・大学生?かな・・」

 


それから一時間後、重そうなヤカンとカップを持って、

その青年は帰ってきた。大粒の汗をかいて、真っ赤な顔で・・

 

私は、スタッフにコーヒーを配る彼を見つめていた。

 

そうだ。

今思えば、ジュンに私は一目惚れしたのかもしれない。

その時の私は気が付かなかったけれど・・・

 

「君・・どこで、コーヒー買ってきたの?

この辺、店なんか何にもなかったみたいだけど・・」


「ええ、そうなんです。随分探したんですけど見つからなくて。

しかたがなかったんで、近くの民家でコーヒー淹れてもらいました。

だから時間掛かって・・どうもすみませんでした!」

 

恥ずかしそうに彼は答えた。

 

「そう・・なかなかやるわね!あ・・名前聞いてなかったね。

私は広報の高山 笑。ヨロシク」


「ヨンジュンです。制作部のバイトです。笑ssi?

日本の方ですか?こちらこそ、よろしくお願いします」

 

そう言うと、年長者にするように、肘に手を添えて握手に応えた。

 

「またか・・・どうして、こっちの人は年齢にこだわるかな~。

ヨンジュン君、あなたいくつ?私の方がそんなに年上??」


「すみません、気に障りましたか?でも、僕よりお姉さん・・

ですよね!」

 

悪戯っ子の様な顔で微笑む。

改めてよく顔を見ると・・たしかに美青年だ。

笑うと目がくじらの形になる。

 

「お姉・・ま、だ26歳よ!君は、22?23?」


「僕は21歳です。ああ・・アハハ!何か僕たち、気が合いそうな

気がしません?僕、妹しかいなくて、お姉さんが欲しかったんです。

・・・そうだ!今から、ヌナって呼ばせてもらっていいですか?

僕の事も、遠慮せずにジュンって呼んで下さい。

ヌナ・・・ヌナ・・うん、いいな。決まりですよ!」


出逢ってまだ10分と経たないうちに、私たちは姉弟関係(?)になった。

 


それから、なぜかよく、私たちは会社ですれ違った。

階段で、社員食堂で、あわてて入ろうとしているトイレの前で・・・


そのたびに、あの悪戯っ子の様な微笑で、

 

「おはよう!ヌナ!」


「今日は何食べるの?ヌナ!」


「あわててるね・・ヌナ♪どっちの方??」

 

あ・の・ね!どうして、私にかまうのよ!


それでも、時々ジュンと話す時間は心地よかった。

少したれ気味の目をさらに細めて、自分の事を話すジュン。

 

【将来映画監督になりたい事】

【2回も受験に失敗して、両親に心配かけてしまった事】

【高校時代の武勇伝】

 

「ヌナは日本で何をしていたの?」

「恋愛経験あり?彼氏いるの?」

 

彼の質問に戸惑ってしまう事もあったけど、ジュンとのそんな

時間は私にとって、大切なものになっていた。

 

出逢ってから3ヶ月。

主人を失ってから、初めてのこんな穏やかな気持ち・・

 

「ヌナ!僕これからロケなんだ。ハハ・・また交通整理。

ねえ、帰ったら一緒に晩御飯、食べに行こう。じゃ、行って来るね~」

 

なんて、無邪気な奴。まだ私のことよく知りもしないくせに・・・

晩御飯か・・私は、その日、一つの決意をした。

 


ジュンがロケから戻ったのは、ちょうど私が退勤する時間だった。


「ジュン、晩御飯、私の家で食べよう。パスタ好き?

・・・その前に、ちょっと付き合って・・」

 


「ここ・・どこ?・・」


「見た通りよ。保育園」


「母さん!おっ帰り~~!・・・誰?・・・・父さん?」


「違うわよ、レウォン。この人は、母さんの会社のお兄ちゃん。

ジュン、レウォンよ。私の息子」


「息子?・・・・ヌナ、結婚してた・・の?」


「うん、この子が生まれる少し前までね。レウォン!今日は、

お兄ちゃん、一緒に晩御飯食べてくれるって。お家で。」


「ええー!!お客さんなの?初めてだね、お客さん。うれしいな♪

お兄ちゃん、なんて名前?僕、シン・レウォンだよ!よろしくね~」

 

 

それが、僕とヒョンとの出逢い。

今から12年前・・か。


ヒョンは、それから(毎日の様に)家にご飯を食べにきた。


僕達はテコンドーごっこをしたり、TVゲームをしたり、思い切り遊んだ。


ヒョンはまるで、子供みたいな人で、僕のおかずを横取りしたり、

(後から食べようと思って大切に取っといたヤツをだよ!)


ゲームで僕に負けると、5歳児相手でも意地になって


「もう一回!!」


と、必ず言う。

 

「母さん!晩御飯なに?~」


「ヌナ!お腹空いた!」


「ああー、もう!うるさ~い!!

ジュンなんか家につれて来るじゃなかった。

子供が2人になっちゃったじゃない!!」

 

母さんはぶつぶつ文句を言ってたけど、決して嫌そうでなく、

僕達がぎゃあぎゃあ言いながら遊んでいるのを台所のイスに

腰掛けて、ぼんやり見ていた。

 

あの時、母さんは何を思っていたのかな・・・

 


季節が変わって夏が来る頃、ヒョンは俳優になるため、勉強を始めた。

映画会社のバイトもまだ続けていたけどね。

 

「映画監督になりたいんだ。アメリカに留学したい。

そのためには、もっとお金を稼がないとな」


ヒョンは僕に、そう夢を語った。


ヒョンが俳優になる事を選んだのには、母さんがそうするように

薦めたのも大きかったと思う。


母さん達の会社で作った映画に、エキストラで出演したヒョン。


「ジュンは、きっと、すごい俳優になるわよ、レウォン・・」


ほんの端役だったのに、母さんは夢見るように、そう言った。

 

そしてある日・・・

母さんのデスクの電話が鳴った。

 

「ヌナ!!オーデション受かったよ!秋からの新番組。

僕が主役だ!レウォンにもそう伝えて!」

 

鮮烈なデビュー。新人演技賞。取材。インタビュー。

etc、etc・・・・


僕らのヒョンはあっという間に、韓国中のアイドルになった。

 


母さんは録画したヒョンのドラマを、それこそ何回も、何回も、

セリフが全部スラスラいえるくらい見ていた。


僕と一緒の時は大はしゃぎで、楽しいシーンではゲラゲラ笑い、

僕が眠った後は、暗い部屋で膝を抱えて静かに見ていた。

 

あれから、ヒョンは家に来なくなった。

たまに、電話はかかってきたけど。

 

「元気?ご飯ちゃんと食べてる?」


そんな会話の後、母さんは決まって、


「レウォン。ジュンから電話・・・」と、

僕に受話器を渡してしまうんだ。

 

僕らは相変わらず仲良しで、ドラマ撮影の面白い話や、子供番組の

キャラクターに逢った話や、今度現場を見せてくれるというヒョンの

約束に胸躍らせてたりしていた。


でもしばらくすると、そんな電話さえ掛かってこなくなり・・

 


2年が過ぎたある日、ヒョンは突然やってきた、


下校時間。僕の学校に。

 

「よう!レウォン、久しぶり。でかくなったな~!」

 

校門の横に、ヒョンのスポーツカー。

僕の大好きなあの笑顔。

 

僕はなぜだか、めちゃくちゃに、ヒョンの胸を叩いていた。

涙で、ぐちゃぐちゃになって、それでも叩いていた。


「ヒョンのバカ!どうして今まで来なかったんだ!

逢いたかったのに・・ずっと、ずっと逢いたかったのに。

・・母さんだって・・・」

 

僕はその晩、帰ってきた母さんの顔をきっと一生忘れない。


僕とヒョンが、「お帰り・・」と言った時の母さんの顔。

ヒョンが、「ヌナ・・・」と言った時の母さんの顔。

 

その夜・・・

初めてヒョンは僕の家に泊まった。

 

その年のドラマは、「パパ」というタイトルのラブコメディーで、

ヒョンは、バツイチの子持ちの大学教授。


【24歳の年齢で、子供への愛情表現や嫉妬の感情を好演】と、

新聞にも書いてあった。

(8歳児でも、新聞くらいは読めたさ!)

 

そりゃあね。

僕と付き合ってたし、保育園にもよく迎えに来てもらった。


実に参考になったんじゃないかと思うけど?

 


それからのヒョンは・・もう言うまでもないか。

一年に一本に絞った作品選び。

苦しいくらいの役作り。

血の滲むようなトレーニング・・・


そんななかでも、オフの時はゆったり時間をとって一緒に旅行もした。

(最も、僕達の存在はごく一部の人しか知らないトップシークレット。

完全オフレコだったけどね)

 

そうそう、去年は、3人で、日本にも行ったよ。

初めて、お爺ちゃんや、お婆ちゃんにも逢った。


韓国人だってことで、反対された父さんとの結婚。

結局、また韓国の人連れて来ちゃったけど、

今回はさすがに驚いたらしい。そりゃ、そうだよね。ハハハ・・

 

ヒョンが、僕達の本当の家族になったのは、5年前。

僕の本名(?)は今、「ペ・レウォン」だ。

あ・・これこそ、本当の【トップシークレット】だね。

 

知っているのは、社長と、数人のスタッフだけ。

母さんは、結婚するつもりは無いって言い張ってたけど、

ヒョンの意思は固かった。

 

あるドラマの最終回のオンエアの晩、

僕の家にやってきたヒョンは、

ラストシーンと同じセリフを、母さんに言った。

 

「僕を 待ってた?」

 

こんなかっこいい事、サラリとやっちゃうんだ。

それがまた、憎らしいほど似合っちゃう。

 

役にのめり込んじゃうヒョンは、時々母さんを不安にさせる。

(事実、い・ろ・い・ろ・あったらしいよ)


あの二人の喧嘩は結構見ごたえあるよー!

母さんは、さばさばした(男顔負け!)な性格だけど、

焼きもち焼きで、涙もろい。

 

「私が何も知らないと思ってるんでしょ!ソン君や、ウンギョンssiが、

ちゃ~んと教えてくれるのよ!今度はあの娘ね・・アーー!

もう我慢できない。・・別れる!!」


「ヌナ~!悪かったよ。ね!機嫌直して・・・・

  それにしても、あいつら・・余計な事を・・・」


「何?なんか言った?」


「いいや?ハハ・・何にも?」


「何が、微笑みの貴公子よ!何がアジアの恋人よ!!

やっぱり、若い娘がいいんでしょ?あなたのか・ぞ・くが聞いたら

ひっくり返るわね。天下のぺ・・・」


「待った!ストップ!あれは・・その・・ほら、役作りで、さ。」

(あ~あ・・ヒョン、認めちゃってるよ、それ)


「だいたい、あなたは、そういうことに対して自覚がないってい

うか、自分の立場がわかってないっていうか。

これから、高句麗の王様になるのよ!そんなことで・・・」

 

「ヌナ!!」


「ヌナって言わないで!!」


「えみ!」


「え?」


「僕は、笑だけだ。心から笑えるのは、笑の傍だけだ・・

わかってるよね」


「ジュン・・・」


「笑・・愛してる」


「ジュン・・・愛してるわ・・」

 


ああ~~。勝手にやってよ!僕、ココにいるんだけど・・

もう、なにも分からなかった5歳児じゃないんだよ。

 

僕、17歳になったよ。背も、もう少しでヒョンに追いつく。

来年は、ヒョンの通った大学にいくつもり。

 

そして、映画監督になって、僕の“父さん”を撮るんだ。


これが、僕の夢。

 

母さんと、ヒョンの話は、いつか・・また・・・

 


☆お・ま・け☆

 

母さんは【冬ソナ】だけは、まだ見てないんだ。だって・・・

ヒョンが交通事故にあうのは、ドラマでも嫌なんだってさ。

しかも2回もじゃ・・ね♪

 


 


2008/12/25 00:23
テーマ:ライナーノーツ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ライナーノーツ  「愛してる 」 ― 聖夜に君と ―

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今回の創作は、私の最新作でした。


まさに出来立てのホヤホヤ^^UPする1時間前まで書き直ししていた

くらいですからね。



主役の ペ・レウォン君は、20歳。年が明けると21歳になります。

恋人の キム・ミナちゃんも同い年。2人は中学の同級生でした。


8年越しのこの恋がどういう風になるのか・・書いている私も心配

していたくらいでしたが。漸く・・^^


思えば何回か、レウォンの初めて話(笑)への想いを書いてきたん

です。お友達とのお笑いコラボ創作!の中とか、この「愛してる」

の前作、「この冬の出来事 太王の帰還と僕の決心」(長いタイトルだ)

の中で・・


「太王・・↑」の時、ミナを送っていくレウォンと今晩は一緒にいたい

と言ったミナ。その時はさらっと書いただけでしたが、あの後、この

2人はどうしたんだろう、と、私はどうしたいんだろうって考えてました。


父、ジュンを超えたい。自分が胸を張れる様な男になりたい。

そんな想いで志願した軍隊行き。

未熟な自分を知っているレウォンは、

ミナを勢いで抱いたりしないだろうと。


・・保護者的な考えかも知れないですけどね^^

 

サークルでの挨拶にも書きましたが、レウォンと息子のリンが重なる

部分が私にはあるんです。


奔放に生きたいと思ってるのに妙に生真面目で、

でも「どうせ、僕は・・」と思ってる所もあって・・

その息子に(14歳^^)「女の子は大切にしなさい」と日頃から

言い続けている私。まだその時ではないですが(まだ早いぞ!爆)、

何年かしてその時が息子にきた時に、私が言い続けた意味を感じて

くれればな・・と思っています。

高校に入ったらもっと具体的に教えてやらなきゃいけないかしら^^

 

「愛してる」の中で登場するマジシャンチーフ(笑)

あれのモデルは・・レスもいただいた通り、私です!ハハ・・

妄想のお話の中、共演したくなってしまって、あんなシーンを。

クリスマスで浮かれる店内で、ミナの姿を追うレウォンの目に

私、映ったかしら?^^作者の役得です~!

 

この「KA・ZO・KU」シリーズ。

今回は一気掲載ではなく、少しづつUPしていく予定です。

まず、明日は。

デビュー作 「KA・ZO・KU」 本編を持ってまいりますね。

どうぞこちらもよろしく!



さて。

今週はまだ何とか大丈夫ですが、来週年末に入ると、その私の

仕事が忙しくなってまいります。

(サービス業はここが書き入れ時!)

30日~お正月3が日は、仕事が入ってますので、更新はご挨拶

程度になってしまうかも・・

でもこんな事書いて、結局しっかり更新したりしてるんで

しょうね。


だって。書くのが好きなんですもん・・私^^


2008/12/24 00:30
テーマ:「KA・ZO・KU 」シリーズ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

愛してる ― 聖夜に君と ―

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以前、お約束していたクリスマス創作です。今夜サークルに同時UPしております。

シリーズ物の最新作。お話の流れが掴みにくいと思いますが、クリスマスなので^^

このシリーズは後日UPしますね♪

 



「・・コホン。あ、いらっしゃいませ、何名様ですか?」


「1人です」


「タバコ、お吸いになりますか?」


「はい」


「え?」


「覚えたんだ。向こうで」


「そうなんだ・・・では、ご案内します。どうぞ、こちらへ」

 


街にはクリスマスのメロディーが、そこかしこから聞こえ、

緑と赤のディスプレイがウインドウから溢れている。

 

今日は、12月24日。

クリスマスイブ。

 

君のバイトは8時まで。

僕の手紙が届いたのは一昨日で、急には休めなかったらしい。

部隊を出てバスに乗った瞬間、君に送った久しぶりのメール。

弾んだ絵文字の君は、「ゴメン!(*^_^*)お店に来て♪」と、

すぐ返信をくれた。


店は特別な夜を一緒に過ごすカップルで満席だ。

1人でテーブルについているのは、僕と、斜め前の70過ぎの

お爺さんだけ。


家族はいないんだろうか。

聖夜に1人でパスタなんて。

・・・そうか。

今の僕も、人の目には好奇に映ってるんだろうな。

こんな風貌の男が1人。コーヒー1杯で。

 

「申し訳ありません!すぐお取替えいたします」


・・・君の声だ。


「謝ってくれなんて俺は言ってない。ただ、これはどういう事か!

と聞いてるんだ!」「・・ですから、ミディアムに・・」


「俺はレアじゃなきゃ食えないんだ。これがレアか?見ろ!中まで

ガチガチじゃないか。子供じゃあるまいし、こんなものが食えるか!」


「はい。あ、いいえ・・」


「あんたみたいなバイトじゃ埒が明かない。責任者を呼びなさい」

 

奥に下がった君の代わりに、背の低い中年の女性が現れた。

彼女は膝を屈め、クレーム客の言い分を聞いている。

かなり興奮しているらしい僕の席まで聞こえてくる声。

客のクレームを全て聞き終わったその女性が、やがて話し出した。


「心配した?」


気づくと僕の前に、君がコーヒーのデカンタを持って立っていた。

少し恥ずかしそうな笑顔。

そして僕の空のカップには、熱く黒い液体が注がれる。

 

「あそこはもういいの?大丈夫なのか?」


「へへ・・やっちゃった。でもあのオジサンが悪いのよ。ちゃんと私、

焼き方も聞いたの。でもあの人、携帯弄りながら“うん、ああ”って

言うだけで。何も指定が無い時には、ミディアムがマニュアルなの。

ベリーレアがいいならちゃんと言ってくれなきゃ。

心配してたでしょ?私は大丈夫。見てて、うちのチーフの得意技。

あのクレーム客、絶対これから常連になるわよ」


「え?」


見れば、クレーム客の席からは何故か笑い声が聞こえてくる。

そして、さっきまで怒っていた男が、チーフと呼ばれた女性に握手を

求めていた。


「どうして?あの人、マジシャン?」


「ふふ、ね?言ったでしょう?チーフの雰囲気なのかなぁ。

大抵のクレームは笑い話に納まっちゃうの。で、次はチーフに逢いに

わざわざ来てくれる。オーダーも全部お任せ、なんてお客さんもいる

んだから。凄いでしょう」


「へえ・・」


「ゴメンね。もう少し待ってて。あと30分で上がれそうなの」


「いいよ。僕は休暇だから」


「んふ、そうだったね。じゃ、休んでて」

 

ピンクのワンピースに白いエプロン。

長い髪をキリッとアップに纏めた姿は、僕が初めて見る君だ。

てきぱきとオーダーを取っていく君。

家族連れのテーブルで小さな子に笑いかけると、

少し愚図っていたその子は、真ん丸の目をして君に笑顔を返した。


・・・なんだ。君も立派にマジシャンだよ。

 

綺麗になった僕の恋人。

いつも僕といる時とは違い、淡い化粧が大人びて見える。


そんなに愛想を振り撒くなよ。

この店でも、きっと何人もの男が君に声を掛けたんだろうな。

大学で僕の名前で君を諦めた男も、僕がいないこのチャンスは

逃がさないかもしれない。

 

きっかり30分後。

会計を済ませた僕は、従業員入り口の前でまたタバコを取り出した。


道行くカップルは皆、肩を抱き合い寄り添って歩いている。

場違いな軍服姿の僕。

降り出した雪の中に煙が溶けていく。

その長さが半分になる頃、上気した頬の君が目の前に現れた。


君の吐く白い息。

その息にさえ、心がときめく。

 

「待った?」  「タバコ1箱分」


「嘘ばっか」  「行こうか」

 

君の小さな傘の中。

僕は強く肩を抱いた。

 

雪が僕の指を濡らしていく。

逆上せた今の体には、ちょうどいい刺激だ。


余裕のある感じでゆっくり大股で歩く僕。

僕が今、何を考えてるかなんて知ったら、君は幻滅するだろうか。

僕達の優しい8年間が、壊れてしまうだろうか。

 

「「これから」」


・・あ。  「いいよ、先に言って」


「うん・・ねぇ、どこに行く?お腹空いたわよね。私もペコペコなの。

 明洞に美味しいソルロンタンのお店が出来たんだって。好きだったわ

よね、さっき友達にメールで聞いたの。そこに行く?あ、それとも何か

買って鐘路で映画見ようか。だって、この間の休暇は、手術があったから

全然遊びに行けなかったでしょう?」


「アハハ・・」


「何?なんで笑うの?」


「元気だなって思ってさ。君のそんな声聞くとシャバに帰ってきたって

気がするよ」  「ん!どういう意味?何も笑わなくても」


「誰より最初に逢いたかった。ずっとそう思ってた」


「え?」  「家には明日帰るって手紙に書いたんだ。一日サバ読んだ」


「レウォン君・・」


「江南なんかでバイトするなよ。母さんにバレたらうるさいだろ?

父さんの店だってすぐ近くだし・・

寒くないか?もっと、歩いていいかな」


「・・うん」

 


その言葉を、僕はいつも言えずにいたんだ。

君と僕の距離は近すぎて。

僕たちの日々はいつも暖かくて。

 

夕日が眩しい校門の前、初めて握った柔らかな手。

手紙とメールだけが2人を繋いでいた、高校の頃。


お互いの淡い想いは、やがて恋という形になって・・


何を見るかでいつも喧嘩になったシネコンの前。

そして、いつも君の買い物に付き合わされる明洞の繁華街。


全てが君で、何もかもが君で・・

 

君と朝を迎えたいと、今僕が言ったらどんな顔をするだろう。

あの時の僕と、今の僕は違う。

この1年間は僕には必要な時間だったんだ。

 

「レウォン君?」  「え、あ。ああ・・ごめん」


「聞いてなかったでしょ?何考えてたの?」

 

・・・僕だってもうすぐ21だ。

この年の男が考える事なんて・・そう沢山ないよ、ミナ。

 

「この間、久しぶりにお宅にお呼ばれしたの。おじ様が撮影旅行で

私にもお土産買ってきてくださって。来年、写真の本、出すんです

ってね。おじ様のカメラ、プロ級だもの。韓国の素敵な所かぁ。

私もそんなに知らないなあ。小さい時は色んな国で暮らしたし、帰って

来てからは、大学とバイトでソウルから出る事もなくなっちゃって。

秋に部隊に面会に行ったでしょう?実はあれが久しぶりの遠出だったの。

あの時レウォン君、あまり話してくれなかったよね。ただ喫茶店でお茶

飲んで、食事して・・私、あの時何かしたかな。ずっと気になってたの。

だってレウォン君・・」


「よく、家には行くの?」


「え?そうね、たまに。おば様がお料理教えてくださったり、ユキちゃん

の顔見に行ったり。レウォン君、手術の時に帰ってからユキちゃんに

逢ってないでしょう?おしゃべりが上手になったわよ。

私の事もミナオンニってこの間」


「ありがとう。母さんもよく君の事、手紙に書いてくる。いい娘だって」


「本当?嬉しいな。私、おば様好きよ。いつも明るくて、おじ様と

ラブラブで。あんな夫婦が理想だなあ。いつも“愛してる”って言って

くれる旦那様。素敵よね」

 


1年前のクリスマスの夜。

入隊を決めた僕に、今夜は帰りたくないと君は言った。

中学の時から知っているから、キスから先に進んでくれないのかと。

私はいい。もう付き合って何年も経つよね・・と。


あの時も、ソウルの街は雪景色だった。

雪道で濡れた君の靴が冷たそうで、僕は心にも無い事を言ったんだ。


『帰ろう。送るから』

 

自信がなかったんだ、僕は。君への気持ちは本当だったけど。

レモンイエローのドレスの君が眩しすぎて。君が大事すぎて、

だから・・

 

「あ、この本屋さん。昔ここでよく逢ったよね。中学の頃、テストの前に。

レウォン君、図書館で女の子に囲まれて困って逃げ込んできたじゃない。

嫌そうな顔しながら何だかニヤニヤしちゃって。

私、あんなレウォン君残して転校するの嫌だったんだから、心配で」


「あったっけ、そんな事」


「あったわ!憶えてないの?日本で暮らしてた時もクラスメイトには皆、

彼がいて。ソウルにボーイフレンドがいるって言うと同情した目で、

“彼氏、浮気してるんじゃない?”って脅かすし。

だからパパの栄転が決まった時、私だけ早く飛行機に乗っちゃったの。

あの時、メールしたよね。それも忘れた?」

 

忘れるもんか。父さんの記者会見の時だ。

あの時、メールを読んでて、父さんの世紀の発表を聞き逃したんだ、僕は。

そして会見途中で漢江公園まで走った・・君の所に。

 

あの頃から・・

いや。

僕はずっと君の事だけを。

 

「漢江公園に行こう」


「え?急に何?」

 

足元の道が白く染まり始めた。

小降りだった雪が本降りになっていく。

僕は君の手を強く握り締め、前を向いて歩き出した。

 


父さんに昔、言われた事がある。

あの記者会見の前、2人で湖へキャンプに行った夜。

 

『レウォン。お前、まだ童貞か?』


『ぶっ!何言ってんだよ、ヒョン!そ、そんな事、親のくせに』


コーヒーを派手に噴出して、僕は急に振られた下ネタにドキドキした。


『親だからさ。お前が後悔しないように言っておかなきゃと思って』


『ヒョン?』  『何て言ったっけ?お前の彼女』


『・・べ、別に彼女じゃないよ・・それにミナは、今、日本に』


『大事にしろよ。惚れた女は大切にしろ。もしお前にそういう衝動が

起こっても、男と女は違う。女の体は心で感じるんだ、乱暴に扱うな。

だからお互いの気持ちがそうじゃないなら、抱いちゃいけない』


『そんな事、言うか?高校生に普通・・』


『生憎と俺は普通の親じゃないからな。それともう1つ。

自分の本当の気持ちに、嘘を吐くな。どんな事があっても、

好きでもない女は抱くんじゃない』


『ヒョン』


『後悔してるんだ。あの数年間を。笑と離れてた、あの数年。

デビューして、人気が出て、仕事が増えて・・事務所に言われたから、

なんていうのは言い訳さ。あの時、俺は笑を捨てたんだ。

心では、笑だけを想っていたのに、俺は笑を忘れようと無理に遊んだ・・

お前にはあんな想い、させたくない』

 

静かに酒を飲みながら、湖を見つめ呟いた父さん。

ランタンの灯りに照らされたその顔は、ゾッとするほど綺麗だった。


TVでは好感度抜群の金持ちの御曹司を演じていた、あの頃の事。

荒んだ日々を過ごしていたというその数年間。

父さんが僕たちの前にまた現れた時、母さんが泣く姿を僕は初めて

見たんだ。


初めてヒョンが僕を大人として扱ってくれた夜。

本当の意味で、僕のヒョンが、僕の父になった日。

 

あの日、高校生だった僕は父さんに誓った。


“自分の心に自信が持てた時、彼女もそれを望んでいる時”


そうだったよね、父さん。


今日、僕はその誓いを果たす。

そして真剣に彼女に言うよ・・その言葉を。

 


雪のクリスマスの夜。

氷点下の漢江公園には人通りが少なかった。

それでもソウルの恋人達は、お互いを見つめ合いキスを交わしている。

 

「ここは」  「あぁ。僕達が友達になったあの場所」


「そう、ここだわ。確か、このブロックの上でレウォン君、歌を歌ってた。

日本語で。おじ様に教わったって、そう言ってた」


「“釜山港へ帰れ”だ。今でも酔うと、父さんはたまに歌う」


「ふふ、あのおじ様が?イメージ違うけど」


「気分のいい時にね。ワインの瓶マイク代わりにして」


「キャッ、おじ様ってやっぱり可愛い!」


「だろ?表の顔も、素の顔もかっこいいんだ。やってらんないよ」


「レウォン君だって・・学校の中でも外でも、いつも女の子に騒がれて

たじゃない・・」


「知らないよ。僕は君しか見てなかった」


「嘘・・ばっか」


「ミナ」

 

対岸の灯りが綺麗だった。

赤い光が、白い雪の中、透明に滲んでいる。

 


「愛してる」


「レウォ・・」


「ミナを愛してる。僕には、ミナだけだ」

 

突然の僕の言葉に、君は大きく目を見開いた。

みるみるうちにその目から、涙が溢れてくる。

 

「ここで言いたかった。ずっと考えてた。軍隊でもミナの事だけを

想ってた。ミナが欲しくて堪らなかった・・ミナの声、ミナの顔。

いつも思い出してた。今、何してるのか。何を考えてるのか。

僕の事はどう思っているのか。もしかしたら僕がいない間・・

ミナに誰かが言い寄ったりしてるんじゃないか」


「あるわけ無い!そんなの!・・あるわけ・・な」

 

思わずきつく抱き締めた僕の腕の中、君は僕の胸に顔を伏せた。

小さな傘が地面に落ちる。

いつもの軍服の胸が君の涙で濡れていく。

 

「夢じゃないよね。私、夢見てるんじゃないわよね」


「ミナ」


「初めて・・初めて言ってくれた・・今まで好きだとも言ってくれ

なかったもの。私、本当は不安で・・大学の友達が、軍隊に行った男は

女の人を・・そういう所に行くんだって・・男は感情と体は別とか言って

・・レウォン君はそんな事しないって思っても、もしかして、私にはそんな

気持ちがおきなくて、とか・・あぁ、私、何言ってるんだろう・・

だって、レウォン君、モテるから・・」


「モテた憶えなんか無いよ」 「結構鈍感なのよね、そういうとこ」


「ごめん。傷つけてたなら、ごめん」


「ちが、う・・私が焼きもち妬いてただけ」

 

君の柔らかい髪に掛かった雪に唇を当てると、君はビクッと体を

震わせる。僕が全部の雪を溶かした時、僕の胸は君の吐息で熱くなっていた。


僕のカーキ色の帽子を被せると、やっと君は僕の目を見つめた。

ふわふわの長い髪に男臭い軍帽。

まだ涙が光るその顔とのギャップが、堪らなく可愛かった。

 

「キスしていい?」


「そんな事、今まで聞かなかったじゃな・・」

 


ミナ。


これはいつものキスじゃない。

僕の心を全部込めたキスだ。


今までの僕たちの8年間。

その優しい時間は僕の宝物。

 

初恋も君だったけど、男として愛したのも君。

だから・・僕の気持ちをどうか、受け止めて・・・

 


「レウォン、くん」  


「ん」


「やっぱり・・江南はマズいかも。家も近いし」


「家には?僕が言おうか」


「もう、言ってあるの・・手紙貰った時に。

バイトの後、大学の友達とパーティーで、帰れないかも、って

・・だから」


「・・分った」

 

 

僕は、その手をもう1度握った。

歩き出した僕達は、お互い行き先を聞かなかった。

 

 

雪は明日の朝まで振り続くだろうか。


その時。

 

僕の横には、君が・・・

 


コラージュ、mike86


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