2008/05/15 11:16
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

Photo

ろうそくの灯りは、どうしてこんなにやさしいのだろう。

太古の昔から、灯りは人々の心の拠り所だった。

灯りの下に人々は集まり、語らい、食事をした。

そしてそこに愛が芽生えた。

古(いにしえ)の人々の生活に思いを馳せながら、私は鶴ヶ城のろうそくの灯りを見つめていた。

 

たけのこ型に作られた陶器の燭台は、小さなお地蔵様のようで、斜めに切り取られた孟宗竹の中で、ゆらめく炎はかぐや姫を連想させた。

「愛」 「希望」 「夢」 「未来」。

地元の中学生が作った燭台に書かれた文字は、春を待つ会津の人の心。

彼は何度もシャッターを切り、「来てよかった・・・」と呟いた。

                         

それにしても冷える。

寒さが足元から這い上がってくる気がした。

ろうそくの灯りを熱心に見つめている彼に「帰りましょう」とも言えず、私は彼の傍らで震えていた。

 

その内にちらちらと雪が舞い降りてきて、会場はよりいっそう、幻想的な雰囲気に包まれた。

鶴ヶ城を雪と光が包む。

ライトグリーンにライトアップされた鶴ヶ城とそれを取り巻く、幾千のろうそくの灯り。

「ろうそくまつり」が、別名「ゆきほたる」と言われる由縁が解ったような気がした。

 

「寒い・・・」つい、口に出してしまった言葉に、彼が気付き、「戻りましょうか?」と言った。

もう限界・・・と思っていた私は、待ってましたとばかりに「うん、うん」と頷いた。

                              

駐車場に戻ると、運転手に「あれ?もう戻ってきたんですか?天守閣には行かなかったの?」と聞かれた。

天守閣・・・?

と、私が不思議そうな顔をすると、「天守閣に上ると、全体が見渡せてそりゃあ・・きれいなんだけどなあ」と、言った。

 

私と運転手の会話を理解できない彼は、すでに、カメラをバックにしまっていた。

彼に申し訳ない気もしたが、もう、引き返す元気が私にはなかった。

「ホテルへ行ってください」

私は、凍える手に息を吹きかけながら、運転手に告げた。

 

ホテルの正面玄関の車寄せで車を止め、トランクから荷物を出しながら、運転手は私に「素敵な夜を・・・」と言った。

無骨な運転手に似合わぬ言葉に、私は意味を取り違えて俯いた。

そんな私の気持ちを察して、「ゆっくりと温泉に浸かって、うまいものを食べてという意味ですよ」と言い、豪快に笑った。

私たちは、運転手に今日一日の礼を言い、ハイヤーが走り去るのを見送った。

             

自動扉を開けると、別世界のような暖かさと、従業員のにこやかな笑顔が私たちを迎えてくれた。

駅前の観光案内所で紹介された・・・と、名乗ると、「お待ちしておりました」と、フロントのカウンターに案内された。

そこで私は、宿泊カードに自分の名前を記入し、「同行者1名」と、書き添えた。

 

通された部屋は、外観から受けたイメージと違い、純和風の落ち着いた和室だった。

案内してくれた、女性従業員から手渡されたパンフレットには、「会津で過す二人だけの大切なひととき」と書かれていた。

その文字を見つめていると、「お食事はいかがいたしますか?」と聞かれた。

希望により部屋まで運ぶこともできるし、最上階の「食事処」で食べることもできると言った。

私は、「夜景を見ながらの夕食」を選択した。

口数の少ない彼と、二人きりの夕食は、会話も途切れがちで、間が持てないような気がしたからだ。

 

さらに「浴室はお部屋にもございますが、今からお時間の予約をしていただければ、お二人だけで入れる貸切の露天風呂もございます」と言った。

老舗のホテルや旅館に限らず、従業員が宿泊客のプラーベートを詮索するのは、マナー違反と教育されているはずだ。

明らかに夫婦でないとわかっても、それを装うのがルールとされている。

だからこそ、このような説明がなされるのだろう。

「貸切露天風呂」のことは、「結構です」と言って終ったが、この時ばかりは、彼が日本語が解らない人でよかったと思った。

            

次に「お休みになるときはこちらのお部屋で・・・」と、隣の部屋に通じる襖を開けた。

おそらく私は、その瞬間、顔色が変わっていたと思う。

ここに通された時から、部屋はふたつあるのだと解っていた。

その時点で私は、各部屋に一枚ずつ布団を敷いて・・・と、すでに考えていたのだった。

備え付けのテレビの使い方や空調の調整の仕方も上の空で、私は、ふたつ並んだセミダブルのベッドを見ていた。

ひと通りの説明を終えると、女性従業員は、「それでは、どうぞごゆっくり」と言って、部屋を出て行った。

その間、彼はずっと窓辺で、タバコを吸いながら、外を見ていた。

篝火が焚かれた中庭は、先程から降り始めた雪で白くなりかけ、遠くに流れる川音が聞こえていた。



[コメント]

1.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 15:09 カサブランカの夢

ゆあさん、こんにちは。夜までの二人寒いけれども良かったですね。ホテルは布団でなくベットだったんだ。ベットでは移動できないもの。二人仲良く一緒の部屋で寝るしかないですね。昨年の忘年会は、夫と二人忘年会を温泉一泊でしたのですが、いつも私達別々に寝ているので、布団が並んでいるとなんか落ち着かないのです。広い部屋だったので、両脇に離して寝ました。まぁ、いろいろなパターンがありますね。次回が楽しみですね。美しい情景が浮かび素適でした。


2.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 15:10 anohitohaima

「戻りましょうか?」もう一人のインスも川辺で言ったけ・・・ソヨンが可愛くウンウンと頷いたよね。お城での様子幻想的で、ろうそくの灯りに映えた、憂いのインスの横顔を思い浮かべました。セミダブルのベットを見たインスの表情は・・・次回のお楽しみ?「貸切露天風呂」は、判らなくても、セミダブルのベットの意味はわかるよね。⑭話はヨンジュンに会って、妄想前回でUPして・・・夏が来ても待ってま~す。


3.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 17:03 淡い緑

ゆあさん、お待ちしてました~^^。 会津の情景が浮かんでくるようです。細やかな心理描写も好きです^^。 以前、公式で鎌倉を舞台にしたお話もとても好きでした。あの時は、物書きのお仕事をされている方の文章だと思っていたんですよ~。 また楽しみにしてますね~^^。


4.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 19:15 pom saran

ゆあさん、こんばんは。ゆあさんの端正な文章に、私の幼稚なコメントは入れられなくて・・・でも楽しみに、ずっと読んでいます。セミダブルベッド・・・はぁ。どうなってしまうんでしょう・・・。ドキドキ。


5.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 20:55 anohitohaima

さっきのレスで、「妄想前回」は「妄想全開」の間違いです(笑)。ミアネ・・・今見たら、意味不明(汗)


6.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 22:19 聖なる彼とmie

mieもドッキリ@@@え~ベット![何もしませんから]といった インスはどうするんでしょうかネ~^0^想像は二つの布団~、手が伸びかしら~^0^この設定では眠れないネ~お酒で酔うしかないネ~^0^・・最近は諸事情で旅行できませんが・・インスだったら一緒にしたいな~[何もしない条件で」ヨンジュンは遠い人だから・・インスはとても身近な出会えるような気がする人!私は暖かさを感じる~~次回が楽しみでス~ベットまた夢を見そうでス~^0^夢では愛されるから嬉しいな~、現実はもういいかな~! 面倒!


7.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 22:19 歌姫ちゃこちゃん

ゆあさん♪ お久しぶりです。おお!いよいよ旅館に到着して・・・夜も更けてくるのでしょうか・・・。これからの二人の会話が私は楽しみです。 どんな会話をして 二人の距離が縮まっていくのだろうか・・・♫ 頑張ってゆあさんの世界を繰り広げてくださいね(^_-)-☆


8.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 22:24 kaoru922

ゆあさん、こんばんは^^カキコしたいけれど・・・今日は実家の田植えで〜〜。毎年、お米を戴いて肥やしていただいている関係で^^;顔出し(たいした顔でも無いくせに、でも両親から戴いたものなので感謝ですけど♡)明日ゆっくりと会津の旅に同行させていただきま〜す^^V


9.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/15 23:27 空

あああ~~なんて人恋しくさせるの・・ゆあさんには参ります。アハ^^;愛しのお方が益々・・恋しくなっちゃったわ~♪これからどうするんだろう?インス。。まさか・・「今日はユキさんありがとうございました。疲れたから先に休んで下さい。」なんて言わないよね・・せめて・・「こちらに来て、川のせせらぎの音でも聞きませんか?雪も積もって来て美しいですよ・・」てな事ぐらいは、、、話してね・・インス君。。こんなにドキドキする会津の旅なら、いつでも会津に飛んで行くのに、、、、次回、、グ~んとイスンとユキの恋の距離が接近しますように、楽しみにお待ちしていますヨン^^v。。


10.カサブランカの夢さん、おはようございます。

2008/05/16 05:14 ゆあ

せっかく、ご夫婦水入らずで、「お泊り」だったのに、お布団を放して寝る・・・じゃ、淋しいじゃないですか・・・。な~んて言ってる私なんですが・・・。夫婦同室で寝るようになったのは極最近のこと。それは我家の住宅事情が大いに関係してるんですが。一緒に寝ていた次女が、「ひとりで寝る~」と言い出して、行き場のなくなった私は仕方ないので、夫のいる和室に・・・。イビキに悩まされそうで、イヤだなあ・・・と思ったんですが、私も熟睡しちゃうと気にならないもんなんですね。そう・・・ベッドを移動して寝るなんて、できない。動かせないし、そのほうが不自然です。


11. anohitohaima さん、さすがですね~

2008/05/16 05:19 ゆあ

私もそこまでは気付かなかった・・・。川辺でそんなやり取りがありましたね。「戻りましょうか」とインスは確かに言っていたわ。今、あの場面が頭の中で、フラッシュしてます。あの時すでにインスは、ソヨンと一緒にいたくてたまらなかったのよね。でも、それが言えずにいた・・・。ソヨンも同じ。あの場所で、インスが言ったジョークは、「ヨンジュンレベル」のジョークだったのね。(大うけしない、中うけ程度の)


12. 淡い緑さん、「鎌倉の・・・」と、おっしゃっていただいてうれしいやら・・・

2008/05/16 05:25 ゆあ

はずかしいやら・・・。あの時は、まだ紅葉していない鎌倉を、紅葉しているかのように書き・・・。地元のヨンジュンファンから、「まだ紅葉はしていませんよ」と、レスが入ったらどうしようかと思っていました。解らないことだらけで「検索」が頼りでした。「カオル」は今でも「ヨンジュン」の恋人・・・と私は思っています。


13. pom saran さん、「ニューヨーク」の創作、ステキでした。

2008/05/16 05:28 ゆあ

私は、ラブストーリーを端的にまとめると言うことができない。いつも、「ショートストーリー」を・・・と思っているのにこうしてだらだらと続いてしまう。季節はすでに初夏なのに・・・。インスとユキの世界はいまだに冬。早く雪解けしてあげないとね。


14.聖なる彼とmieさん、残念ながら・・・

2008/05/16 07:07 ゆあ

畳の上に布団を敷いてなら、手も伸ばせるかもしれないけど、ベッドだと自分が落ちる可能性がある・・・。ユキに迫るつもりがベッドから転げ落ちた~では、かっこ悪いので、インスにそんなことはさせられないよ~「創作」はいいね。勝手にインスを「自由」にできるから。


15.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/16 07:30 fukuyong

おはようございます。昨日は新宿に行ってきました。それは孫頼りの録画が、良い場面が10分足りませんでしたので、もう我慢できなくて、行って来ましたよん。インスとユキの会津の旅も佳境にはいりやっと愛の接近が近ずいてきましたが、ユキさんが「私は隣のお部屋で」何て言わないでしょうね。アハハ、、昔塩原ヘドライブで行きました時にインスとユキが宿泊したホテルに似ています。後に流れる川のせせらぎの音を聴きながら思い出しながら、其の当時の事を自分に置き換えて読ませて頂いています。私は夏でした。朝から楽しいラブロマンスのお話、ありがとうございます♪(^o^)


16.歌姫ちゃこちゃん

2008/05/16 07:45 ゆあ

お久し振り。イベントに行く前に何とかかっこつけて、(ある程度二人の行く末を決めて)ヨンジュンに会おうと思っているので、少々あせっているのが本音です。インスにあまり待たせちゃ申し訳ないし・・・(笑)


17. kaoruさん、「田植え」とは・・・

2008/05/16 07:47 ゆあ

なんと季節感のある言葉・・・。田植えってこの時期にするのね。今じゃ機会でさぁ~とやるのかと思っていたけど、やっぱり家族総出となるのね。こちらは当然の如く「食べる」の専門。


18. 空さん、なかなか想像力が豊かで・・・

2008/05/16 07:50 ゆあ

私は書くのも好きだけど、人の「創作」を読むのも好きなので、空ちゃんもぜひチャレンジして下さい。「公式」も私が入った当初は「創作」がたくさんあったような気がするんだけど。皆さんそれぞれにサークルを作られてそっちでご活躍なのかしら?何しろインスは口下手。上手く誘えますかどうか・・・。


19. fukuyongさん、おはようございます

2008/05/16 07:55 ゆあ

私も今週は、放映時間が長いなんて知らず・・。ちょうど、始まりの直前に息子から電話があって。録画スイッチを入れて駅まで・・・。そして、11時10分近くに録画停止を押したら、早すぎたようで。いよいよ来週は最終回。楽しみだけど、なんだか終ってしまうのが淋しいです。塩原の温泉旅行・・・きっとご主人との思い出の旅行だったんでしょうね。


20.Re:「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

2008/05/16 08:55 kaoru922

おはようございます。復活しました^^V今日のインスの言場数の少なさに比べ、ハイヤーの運ちゃんと女性従業員の賑やかさには相対するものが有り東北ならではのあたたかい心遣いにほっとした安心感ををおぼえましたよ☆会津には(三泣き)ってあるんだって^^初めて会津を訪れた人は1)取っ付きにくさに先ず一泣き、2)やがてあたたかいこころに二泣き、3)最後には会津を離れがたくて三泣きするそうよ。私的に今回は二泣き目?にウルウル来ました−−;セミダブル!@@!オモオモ何とも・・・・そうね〜人には知らない方が幸せという場合も沢山有るよね♪私はゆあさんの方が大丈夫かな??と心配に成って来た〜〜〜っ>o<;


21.kaoruさん、会津の「三泣き」・・・?

2008/05/16 09:17 ゆあ

今回、これを書くにあたって、いろいろ調べたんだけど、それは知らなかったなあ・・・。ホテルの私なりに吟味しました。外観は洋風。中は和風。そしてさらに中は洋風・・・と。三段階の「お宿」です。【人には知らない方が幸せという場合も沢山有るよね♪私はゆあさんの方が大丈夫かな??と心配に成って来た〜〜〜っ>o<;】・・・って、なんか気になるなあ・・・ヨンジュンの結婚の噂でもあるなら、イベント後に聞かせて。とりあえず私は、「純潔・無垢」のヨンジュンに会いたいので・・・←そんなことあるはずない?


 
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