1年分の「ありがとう」
ヨンジュンに会いたい・・・と、願い続けた夢が実現した2008年。
映像の中だけだった人は、確かにそこに存在した。
幸運にもアリーナ席から、ヨンジュンを見ることができた私は、「ぺ・ヨンジュンって、本当に実在の人物だったんだ・・・」なんて、的外れな思いを抱きながら、ただひたすらヨンジュンの姿だけを見つめ続けた。
14日間、同じ国にいるというだけで、どんなに胸がときめいたか・・・。
離日の時に、残してくれたメッセージは、心が震えるほど、感動した。
公式来日をしてくれたヨンジュンに、ありがとう。
秋の受勲は、ずっと変わらずヨンジュンを見守り、応援し続けた家族へのご褒美でもあった。
祖国を愛し、韓国人としての誇りを常に失わないヨンジュンの姿勢が、韓国国内で評価されたことが、何よりもうれしかった。
ヘリコプターで颯爽と現れたヨンジュン。
化粧品のCMで、聞かせてくれたハミング。
いつも、ステキな姿で、私たちの前に現れてくれて、ありがとう。
夢と希望を与えてくれたヨンジュンに、ありがとう。
仕事中に最新のヨンジュンの姿を写メで送ってくれて、喜ばせてくれた友人。
我が家の経済状態を憂いて(苦笑)、DVDBOXを貸してくれた友人。
大事に録りためた「タムドク」が、全て消えてなくなってしまった時、手を差し伸べてくれた友人。
言いたい放題のヨンジュンへの思いと、様々な愚痴を聞いてくれた友人たち・・・。
近くに住む友人。
遠方の友人。
ヨンジュンが縁で、出会えた全ての友人。
仲良くしてくれてありがとう。
毎日、元気に学校に通ってくれた3人の子供たち、ありがとう。
今年も、ヨンジュンを愛することを許してくれた夫にも、ありがとう。
ブロコリブログで、楽しませてくれたブログオーナーさんたち、ありがとう。
私のブログにコメントを寄せてくださった方々・・・本当にありがとう。
最後に、もう一度ヨンジュンへ・・・。
たくさんの「愛」をありがとう。
そして、今年も独身でいてくれてありがとう。
2009年が、ヨンジュンにとっても、ヨンジュン家族の方々にとっ
ても、素晴らしい年となりますように・・・。
良いお年をお迎え下さい。
「朝月夜」(アサヅクヨ)№24・・・こちらは戯言創作の部屋
もうそろそろ起こさないと・・・。
着替えをし、化粧を済ませて、私は、まだ眠っているインスを起こすために寝室に入った。
気持ちよさそうに寝息を立てているインスを起こすのは、気の毒なような気がしたが、そんなことは言っていられない。
「起きて・・・」
私は遠慮がちに声をかけた。
素肌の肩にそっと手を伸ばして揺すりながら、もう一度、声をかけた。
インスがゆっくりと目を開けた。
「起きて・・・飛行機に乗り遅れたら大変よ・・・」
毛布から伸びた手が私の手首を掴んだ。
私は静かにその手を振り解くと、「したくをしてください」と言った。
誘われるままにインスの横に滑り込んだら、きっと韓国に帰したくなくなる。
インスも同じ気持ちでいるだろうと私は思った。
「時が止まればいいのに・・・」
ゆうべ、私を抱きしめながら言ったインスの言葉が甦った。
インスが着替えを終えるのを待って、私たちはレストランに行き朝食を済ませ、宿泊代の清算をした。
別れの時間が近づくにつれて、無口になっていくインス。
私は、ソウルの天気のことや、今、食べた朝食のメニューのことなど、どうでもいいことをひとりで話し続けた。
忘れ物がないか確認し、私たちは4日間を過ごした部屋を出た。
インスは、空港までは来なくていいと言ったが、私はどうしても見送りたかった。
空港行きのバスが来るまで、私たちはラウンジでコーヒーを飲んで待つことにした。
私は、ふと思い立って名刺を取り出すと、裏面に自宅の電話番号を書いてインスに差し出した。
「表に印刷してあるのが、私のオフィスの電話番号・・・。裏に、書いたのが、自宅の電話番号です」
インスは、差し出した名刺を手に取ると、声に出して私の名前を読んだ。
インスは、日本語は読めないが、ローマ字で振り仮名がふってあるので、私の名前が読めたのだった。
「ユキの苗字を初めて知った・・・」
自己紹介の時、名乗ったはずだが、インスの記憶には残っていなかったようだ。
「神の門と書いてミカド・・・。ミカドユキ・・・。ちゃんと憶えておいてね」と、私は言った。
インスも、持っていた自分の名刺に自宅の電話番号を書いてくれた。
バスの到着を知らせる館内アナウンスが聞こえた。
バスに乗る時も、乗ってからも、私たちはずっと手を繋いでいた。
話すことは何もなかった。
ただ、車窓を流れ行く会津の景色を、それぞれの思いを抱いて見つめていた。
降りしきる雪のせいでバスが遅れ、別れを惜しむ間もなく、出発の時刻が迫っていた。
「自宅に着いたら、さっきの電話番号に必ず電話してね」
搭乗ゲートに向かうインスに私は言った。
「ユキ・・・いろいろありがとう」
「気をつけてね・・・」と、言って差し出した私の右手をインスの大きな手が包んだ。
「ユキ・・・」
何か言いたげなインスの顔・・・。
「愛してる」
私の手を握るインスの右手に、より一層力が入った。
「私も・・・愛しています・・・」
私は、心からそう言えた。
「ありがとう。その言葉が、心の支えになるよ」
そう言うと、インスは足早に搭乗ゲートに向かって歩いて行った。
一度も振り返らないインスの後姿が、ゲートの向こうに消えても、しばらく私はそこに立ち尽くしていた。
東京行きの新幹線に乗ってからも、今、別れたインスのことと、二人で過ごした会津のことばかり考えていた。
インスは、韓国に帰って、正式に離婚したら、必ず、ユキに会いに行くと約束してくれた。
私はその言葉を素直に喜んだが、日々の状況はどう変化するか誰にもわからない。
そのような約束が、どんなに不確かで、儚いものであるか、私は充分解っていた。
当分は、インスのことを考えて過ごす日々が続くのだろうか・・・と、思っていたら、携帯が鳴った。
仕事の電話だった。
コンサートツアーが終わってから、一度も事務所に顔を出していなかったので、どうなっているんだ、と言う社長からの電話だった。
新幹線の車内なので詳しい説明ができない、と私は言葉を濁し、月曜日には必ず出社すると約束をした。
こうなることは予想していたので、私はJRの駅で、いくつかのみやげ物を買っていた。
しかし、会津みやげなどを持っていったら、「のんきに旅行か・・・?」から始まり、「誰と行った」だのと詮索されるに決まっている。
月曜日に出社する時は、社長の好きなあの店のケーキにしようと決め、同時にいくつかの言い訳も準備しておかなければ・・・と私は思った。
自宅に着くなり私は、まず、部屋中の窓を開け放ち、空気の入れ替えをした。
冷蔵庫の中の古いものを処分し、留守番電話の確認をした。
携帯電話を持つようになってから、家の電話にかけてくる人はほとんどいないが、父だけは別だった。
「用があったら、携帯に電話して。その方が確実だから」と何度言っても、家の電話にかけてくる。
そして、思ったとおり、父から3度電話が入っていた。
メッセージの内容は、「たまには帰って来い」とか、「風邪をひいていないか」などの他愛もないことであったが、久しぶりに聞く父の声は、とても暖かいものだった。
インスと会津で過ごした日々のことを父に言ったら、父はなんと言うだろうか・・・。
Kを失った時、言葉少なに私を慰めてくれた父の顔が浮かんだ。
父に電話してみようか・・・そう思った時、突然、電話が鳴った。
「たった今、着いたよ」
電話の声はインスだった。
数時間前まで、隣にいたインスが、今は海の向こうにいる。
私の胸に熱いものがこみ上げてきた。
「ユキ・・・聞いてる?」
「ええ・・・無事に着いてよかったわ」
今にも涙がこぼれそうになるのをインスに悟られたくなくて、手短に言葉を返した。
「会いたい・・・ユキに会いたい。」
これ以上話していたら、電話口で泣き出してしまいそうだった。
「疲れたでしょう。今夜はゆっくり休んでね」
そう言うと、私から電話を切った。
数日間を過ごしたホテルの部屋を出る時も、空港でインスを見送る時も、不思議と涙は出なかった。
なのに・・・受話器を置いたとたん、溢れる涙を止めることはできなかった。
「朝月夜」(アサヅクヨ)№23・・・こちらは戯言創作の部屋
妄想モードまだ、続いてます。
「四月の雪」のインスのイメージを壊したくない方、ここで引き返してくださいね。
「続きは、あとで・・・」なんて言葉を残して、インスはあっさりと私から離れて行った。
シャワーを浴びているインスの後姿を見ながら、私はひとり取り残されたような気分を味わっていた。
「外で待ってる」
と、言って、インスは浴室から出て行った。
私も湯から出て、シャワーのコックを開けた。
壁に取り付けられた小さな鏡を覗くと、熱いお湯と汗で化粧のはがれた私が映った。
近くにあった洗顔フォームで残った化粧を落としながら、インスに抱かれたのが背後からで、顔を見られなくてよかった・・・と思った。
脱衣場にもインスの姿はなく、ここでも私は取り残された気分になった。
着替えの浴衣の上に鍵が置いてあるのは、「鍵を閉めて」ということなのだろうと、私は手早く着替えを済ませると、入り口の木戸の鍵を閉めて、インスの姿を探した。
大浴場の前は、くつろぎのスペースのようになっていて、数台の自動販売機と、大型テレビが置かれていた。
男女別々に入浴した人たちはここで待ち合わせをして、部屋に戻るのだろう。
その一角にタバコを吸いながら、缶ビールを飲んでいるインスを見つけた。
取り残された不満を隠しつつ、私は、「待たせてごめんなさい」と、形ばかりの侘びを言った。
インスの前のテーブルには、自動販売機で買ったと思われる2個のカップ麺と、2本の缶ビール、それとジュースの缶が1本置かれていた。
「これ・・・食べるの?」
私は、カップ麺を指さして言った。
「ユキの分も買っておいた。決戦前の腹ごしらえ」
と、インスは、笑いながらわけのわからないことを言った。
缶ビールを飲み干すと、残りの2本の缶ビールを片手で掴んで、インスは立ち上がった。
「まだ、飲んでないのに・・・」
私は飲みかけの缶ジュースと、2個のカップ麺を抱えると、インスの後を追った。
エレベーターに乗ると浴衣を着たふたりの姿が鏡に映った。
着慣れない浴衣を着たインスの姿がなぜかおかしくて、私は笑いを堪えていた。
それでも、鏡に映るインスはとてもステキだった。
それは、濡れた髪のせいかもしれないと私は思った。
以前、テレビの番組内で、「どんな男性に魅力を感じますか?」と尋ねられた女優が、「濡れ髪の似合う男」と、言っていたことを思い出した。
部屋に戻ると、私はインスが買ったビールを冷蔵庫に入れて、カップ麺を作るために電気ポットに水を入れ、スイッチを入れた。
それだけの動作なのに、やはり浴衣は動きづらい。
私は「着替えをします」と言って、寝室に入った。
いつものスウェットの方がリラックスできると思ったからだ。
クローゼットの中から、スウェットを取り出そうとした時、いきなり後ろからインスに抱きすくめられた。
「着替えなんてしなくていい・・・」
インスはそう言うと、浴衣の胸元に手を差し入れて、私の乳房を掴んだ。
インスの人差し指と中指に挟まれた乳房の先端がたちまち硬く変化した。
リビングでは、沸騰した電気ポットが音を立てていた。
「ラーメン・・・食べるんじゃなかったの・・・?」
インスは私の問いかけには答えず、浴衣の紐の結び目を解くと、するすると引き抜いた。
肩から剥がされた浴衣が、はらりと床に落ちた。
インスは、下半身に下着を着けただけの格好になった私を自分の方に向かせると、大きな手のひらで私の頬を覆い、唇を寄せた。
立ったままの姿勢で長いキスを交わしているうちに、私は初めてインスを「ほしい」と思った。
「さっきは堪えるのに必死だった。今度は我慢しなくていいよね」
そう言うと、インスは受け入れる準備の整った私の中にそっと体を沈めた。
雪に反射した朝日がまぶしい。
まだ眠っているインスを起こさないように、私はそっとベッドから抜け出すと、ルームサービスの朝食の注文をして、シャワーを浴びた。
本来なら、朝食は最上階のレストランで、と言うことになっている。
朝食を運んで来てくれた従業員の男性に「わがままを言ってごめんなさいね」と私は言った。
彼は、にこやかに「どういたしまして」と言うと、手際よく朝食をテーブルに並べて出て行った。
入れ違いにインスが起きて来て、テーブルの上のプチトマトを口に放り込むと「おいしい」と言い、コーヒーの準備をしている私の顔を覗き込むようにして、「ユキ、疲れてない?」と意味あり気に言った。
一瞬、夕べのことが脳裏をよぎった。
全身を貫く快感に思わず声を上げてしまったこと・・・。
その唇をインスに塞がれたこと・・・。
私は、インスと目を合わせたくなくて、うつむいたまま「早く顔を洗って、朝ごはんが冷めてしまうわ」と言った。
シャワー室から戻ったインスに、冷たいトマトジュースを差し出すと、インスはおいしそうに一気に飲み干すと、バスローブ一枚のまま、イスに座った。
「その格好で、朝ごはんを食べるの?」
「ダメ?」
「別に・・・ダメじゃないけど・・・」
「食べてから着替える」
私はインスのカップにコーヒーを注いだ。
「ユキ・・・ベッドルームに眼鏡を忘れた。取って来てくれる?」
私は言われたとおりに寝室に行き、ベッドサイドを探したけれど、インスの眼鏡はどこにもなかった。
あきらめて戻ろうとした時、背後で扉のしまる音がした。
振り向くと、眼鏡をかけたインスが立っていた。
どういうこと?と、尋ねる間もなく、私たちは縺れるようにベッドの上に転がった。
眼鏡をはずしたインスが、少年のような眼差しで「作戦成功」と言って笑った。
柔らか素材のスウェットは、簡単に首から抜かれ、捲り上げられたブラから、乳房が溢れた。
すかさず先端を捉えるインスの唇。
「夕べ、したのに・・・」
私は、本音を言った。
「ユキを見てると、したくなる・・・」
そう言いながら、インスの手はすでに私の下着にかかっていた。
インスは、バスローブを脱ぎ捨てると私に体を重ねた。
「待って・・・まだ・・・」
「嫌だ・・・待てない」
インスは私の言うことなど聞き入れることなく、侵入して来た。
「あ・・・」
いつもとは別の私の声を聞いて、「痛い?」と真上から私の顔を見て言った。
「痛いと言ったらやめてくれるの?」
「やめない・・・やめられない」
インスの動きと調和して揺れる私の肩と両の胸のふくらみ。
私は、インスと体を重ねるごとに、確実にインスを好きになっていく自分を感じていた。
「ユキは・・・きついんだ。男にとっては最高だよ・・・」
インスがまた、真上で呟いた。
「朝月夜」(アサヅクヨ)№22・・・こちらは戯言創作の部屋
【注】朝から妄想炸裂してます。「私」をご自分に置き換えて読んでくださる方だけ、お進みください。
「四月の雪」のインスのイメージを壊したくない方は、ここで引き返してくださいね。
数時間前、ベッドの上で、インスにすべてをさらけ出したはずなのに、今、感じているこの羞恥心は何なんだろう。
きっと、さっき、見てしまったインスの・・・均整のとれた体のせいだわ・・・と、私は思った。
この期に及んで、日頃からダイエットと言うものに無頓着であったことを後悔した。
インスの視線を感じながら、私は、無駄な抵抗と思いながらも、必死に、タオルで胸と腹部を隠した。
それなのに、私の意に反してタオルは薄絹の様に湯の中をひらひらと舞い、かろうじて、ふたつの乳房を覆ってくれるだけだった。
インスは、そんな私の思いはお構いなしに左腕を私のウエストあたりに回すと、湯の中で私をさらにきつく抱き寄せた。
インスの胸の筋肉のたくましさが、タオル一枚を隔てて確実に伝わってきた。
ほんの数センチの距離のところに感じるインスの視線を避けるため、私は思わず目を閉じてしまった。
それをOKのサインと見て取ったのか、インスは、右手の親指と人差し指で私の顎を持ち上げて、唇を重ねてきた。
本来なら、ここでそっと目を閉じるべきなのだろうが、私はまるで水中でおぼれかけた子供のような息苦しさを感じて、目を開けてしまった。
インスの長い睫が目の前にあって、私は慌てて目を閉じた。
結んだ私の唇を器用にこじ開けて侵入してくるインスの舌と、押し返そうとする私の舌が絡み合った。
後ずさりしようにも、背中は硬い浴槽の壁に阻まれて数ミリたりとも動けない。
無口で、物静かなインスのどこにこんな強引さが潜んでいたのだろうと私は思った。
腰に回された左腕の力は緩むことなく、インスの舌は私のなかで動き回り、たった一つの砦であったタオルは、インスの手によって湯の中に沈んだ。
露になった乳房はインスの大きな手に捕まり、私の両手だけがあてもなく揺れていた。
インスは、硬く閉じた私のひざを割ると、そのままの体勢で私を引き寄せた。
浮力を借りた私の体は簡単にインスの上に移動し、その瞬間、太ももに固いものを感じた。
それが何であるか、気付いた私に「ユキが魅力的だから・・・」と、インスは言った。
さらにインスは、私の腕を掴むと、「ユキの手で確かめて・・・」と言って、その場所に私の手を導いた。
確かめて・・・と言われたってできることではないが、強く掴まれた腕を払いのけることは、もっと不可能だった。
「ここでしたい・・・」
インスが私の耳元で囁いた。
こんな時、なんと答えたらいいのだろう。
迷った挙句、私の口から出た言葉は「熱い・・・」だった。
胸元まで、湯に浸かっているだけで熱いのに、インスの腕の中にいることが、さらに私の体温を上昇させているようだ。
一刻も早くここから脱出して、涼しいところに逃げたいと思っていた。
私は、インスの二の腕を掴むと、「もう、我慢できない・・・」と言いながら、密着した体を引き離そうと試みた。
インスは、不意に私の両脇に手を添えると、すっと私を立ち上がらせ、くるりと向きを変えた。
湯から出た上半身が、冷気に晒され心地よい・・・。
と、思った瞬間、私の腰は両側からインスに抱えられ、声を上げる間もなく、インスが私の中に入ってきた。
我慢できない・・・と言ったのは、そういう意味じゃないのに・・・否定の言葉は、吐息に変わってしまった。
インスの両手は私の腰から胸に移り、逃れようもないほど強く掴まれた。
インスが動くたびに熱い湯が音を立てて飛び散った。
背中を這うインスの唇と熱い吐息。
私の口からも思わず声が漏れた。
「ベッド以外の場所でするのは初めて?」
インスに問いかけられても言葉が出ない。
私は無言で何度も頷いた。
立ち上る湯煙と激しく突き上げるインスの動きに翻弄されて、もうダメ・・・と思った時、インスの動きが止まった。
「続きは、部屋に戻ってから・・・」
インスは私の肩先にそっと唇を寄せると、静かに離れて行った。
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